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杉山医師の「薬剤師に伝えたい医師のトリセツ」

更新日: 2020年6月7日

「先生、ポリファーマシーって知ってます?」(2)処方薬の減らし方

「先生、ポリファーマシーって知ってます?」(2)処方薬の減らし方の画像

日頃からお世話になっている薬剤師の皆さんに送る「医師のトリセツ」。今回は前回に続き、ポリファーマシーの問題についてです。前回は処方薬を減らす具体的な手法について、いくつかご紹介しました。それは、下記の通りです。

ポリファーマシーに関するまとめ記事はこちら

(1)内服回数の多い薬剤を、同様の効果を持つ他剤に置換する

例:レバミピド 3錠 分3毎食後 → ランソプラゾール 1錠 1×朝後


(2)効果の相反する薬剤の削減

例:乳酸菌製剤と酸化マグネシウムの併用
→乳酸菌製剤の中止と、酸化マグネシウムの減量~中止


(3)同効薬の削減(特に他院の処方と効果がカブっていないか)

例:アスピリン 100㎎ と シロスタゾール 200㎎
(もちろんこれらの薬剤の「併用」によって効果がある疾患では変更せず)


(4)ある薬剤の副作用出現を懸念して併用されている薬剤の見直し

例:ロキソプロフェン 3錠 分3毎食後 と レバミピド 3錠 分3毎食後
→ セレコキシブ 2錠 分2朝夕後


(5)内服回数の削減

例:酸化マグネシウム(250㎎)4錠 分4毎食後・就眠前
→ 酸化マグネシウム(250㎎)4錠 分2朝夕後


(6)腎機能障害や肝機能障害を引き起こしている可能性のある薬剤の削減

例:血液検査で腎機能・肝機能の低下している場合、原因薬を推定。
まずは数値が極度に不良な場合のみ。


(7)効果の不明瞭な薬剤の中止

例:疼痛がない患者さんで鎮痛剤を内服しているケースなど。
いったん鎮痛剤を中止しても疼痛がなければそのまま中止。


(8)患者さんの訴えを再確認することで、薬剤の不要な追加・増量を回避

例:「不眠」を訴える高齢者に何時間眠っているのか、何時に就眠するのか確認。
高齢者では6時間以上就眠することが難しいことも多く、断眠も2回が平均。
例:「便秘」といっても、「毎日 便が出ていないから便秘!」という方も多い。
毎日出ても少量なら便秘になりうるし、2日に1回でも充分量ならOKのことも

処方薬を服薬タイミングごとにまとめる

そして私が「処方削減パターン」のスイッチを入れるのは、まずは処方薬を服薬タイミングごとにまとめることからスタートする、とご説明しました。では早速、実例を挙げて手順をご説明したいと思います。

82歳・男性
既往歴 :高血圧、陳旧性微小脳梗塞、糖尿病、便秘症、不眠症
診察所見:血圧 120/70mmHg、心拍 80/分、身体所見に顕著な異常なし

内服薬:
  • アムロジピン (5mg)1錠 分1 朝後
  • 酸化マグネシウム(330mg)3錠 分3 毎食後
  • アスピリン (100mg)1錠 分1 朝後
  • ゾルピデム (5mg)1錠 分1 就眠前
  • 乳酸菌製剤 3g 分3 毎食後
  • ボグリボース (0.2mg)3錠 分3 毎食前
  • 大建中湯 7.5g 分3 毎食前

これを内服タイミング毎にまとめると…

  • アムロジピン (5mg)1錠 分1 朝後
  • アスピリン (100mg)1錠 分1 朝後

  • ボグリボース (0.2mg)3錠 分3 毎食前
  • 大建中湯 7.5g 分3 毎食前

  • 酸化マグネシウム(330mg)3錠 分3 毎食後
  • 乳酸菌製剤 3g 分3 毎食後

  • ゾルピデム (5mg)1錠 分1 就眠前

1日の服薬回数は、毎食前後と就眠前の、計7回/日。やはりこれは多いですよね。最初に注目したいのが、「毎食前」の内服薬です。食事の前に服用するのは、ついうっかり忘れてしまうもの。私なら恐らく8割は服み忘れます(汗)。そこでまず、「ボグリボース」を中止してみましょう。すると、αグルコシダーゼインヒビターの副作用である便秘症が改善することになり、思い切って大建中湯も中止してみました。しかし便通が悪化したため、センノシドを加えました。しかしこれで食前薬はなくなり、以下のようになりました。

  • アムロジピン (5mg)1錠 分1 朝後
  • アスピリン (100mg)1錠 分1 朝後

  • 酸化マグネシウム(330mg)3錠 分3 毎食後
  • 乳酸菌製剤 3g 分3 毎食後

  • センノシド (12mg)1錠 分1 夕後

  • ゾルピデム (5mg)1錠 分1 就眠前

さて、次は効果の相殺する薬剤の中止です。酸化マグネシウムと乳酸菌製剤を中止してみます。この変更では下剤の調整は必要ありませんでした。したがって、以下のようになります。

  • アムロジピン (5mg) 1錠 分1 朝後
  • アスピリン (100mg) 1錠 分1 朝後

  • センノシド (12mg) 1錠 分1 夕後

  • ゾルピデム (5mg) 1錠 分1 就眠前

さて、この方は82歳。以前に比べて高血圧ガイドラインもずいぶんと様変わりして、認知機能や転倒リスクを考えて、今では後期高齢者であれば以前よりもずっと高い血圧でコントロール可能となりました。そこでアムロジピン 5mgなら、中止してもガイドラインを大きく超えることはないはず。アムロジピンを中止します。すると朝の内服薬、アスピリンが残りました。改めて易出血性に対する予防としてランソプラゾールを追加しました。すると、

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杉山 陽一

永生病院 リハビリテーション科勤務
杏林大学医学部卒、専門は老年病科
国立職業リハビリテーションセンター 医療情報助言者
杏林大学医学部同窓会理事
m3.com 「専門外だからできる医師のキャリア形成」連載(完)
m3.com SNSニュース情報局コメンテーター
メディカ出版「リハビリナース」・「サイエンス 化粧ケア」監修
CBキャリア「無形資産形成論」連載
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