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臨床論文で服薬指導をアップデート!

更新日: 2020年7月30日 児島 悠史

妊娠中なのに「ドンペリドン」を服用してしまった女性への対応

妊娠中なのに「ドンペリドン」を服用してしまった女性への対応の画像

患者さんの質問に対して、回答に困ったことはありませんか? このシリーズでは臨床論文から得た知識を活用し、より説得力のある服薬指導をめざします。実際の服薬指導のシーンを想定した会話形式で紹介します。第3回は妊婦のドンペリドン服用についてです。

今回の論文

Fetal and Neonatal Outcomes in Women Taking Domperidone During Pregnancy.
J Obstet Gynaecol. 2013 Feb;33(2):160-2. PMID:23445139
内容:妊娠第1期に「ドンペリドン」を服用した女性120人の奇形リスクを、薬剤暴露のない同年齢の妊婦212人を対照に評価した前向きコホート研究。妊娠期間や出生時の身長・体重・頭囲、奇形リスクに差はなかった(OR=0.6 [95%CI:0.1-2.8])とする報告。


ポイント

pointの画像1 「ドンペリドン」の添付文書には、妊娠中の使用は「禁忌」と記載されている
pointの画像2 添付文書上は「禁忌」でも、論文やガイドラインでは「問題ない」とされている薬がある
pointの画像3 薬剤師の「安全」「大丈夫」という言葉は「ゼロリスク」と受け取られる可能性がある


服薬指導アップデート! 自分の飲んでいた薬が「禁忌」だったと知り不安を抱いている妊婦に、矛盾のない説明をしよう。

薬剤師

今日は、前回まで処方されていた「吐き気止め」が出ていないですね。もう症状が落ち着かれたとか、もしくは体に合わなかったといった理由でしょうか?

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児島 悠史
こじま ゆうし

薬剤師 / 薬学修士 / 日本薬剤師会JPALS CL6。
2011年に京都薬科大学大学院を修了後、薬局薬剤師として活動。
「誤解や偏見から生まれる悲劇を、正しい情報提供と教育によって防ぎたい」という理念のもと、ブログ「お薬Q&A~Fizz Drug Information」やTwitter「@Fizz_DI」を使って科学的根拠に基づいた医療情報の発信・共有を行うほか、大学や薬剤師会の研修会の講演、メディア出演・監修、雑誌の連載などにも携わる。
主な著書「薬局ですぐに役立つ薬の比較と使い分け100(羊土社)」、「OTC医薬品の比較の比較と使い分け(羊土社)」。

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