「熱冷ましを使ったのに、こどもの熱が平熱まで下がらない」と焦る母親への対応
患者さんの質問に対して、回答に困ったことはありませんか? このシリーズでは臨床論文から得た知識を活用し、より説得力のある服薬指導をめざします。実際の服薬指導のシーンを想定した会話形式で紹介します。第4回は解熱剤の効果についてです。
今回の論文
J Pediatr (Rio J). 2010 May-Jun;86(3):228-32. PMID:20436978
内容:直腸温で39℃以上の小児60名に対し、「アセトアミノフェン」の内服薬(経口投与)と坐薬(直腸投与)で体温がどう変化するかを比較した研究。内服薬と坐薬で効果に差は認められず、投与1時間で0.7~1.3℃程度、投与3時間で1.4~2.0℃程度の解熱効果が確認された、という報告。
解熱薬の目的は、高熱によるだるさ・辛さを解消することで、平熱まで下げることではない
実際に解熱薬の効果は、投与1時間で1.0℃、投与3時間で1.7℃ほど下げるくらい
効果は4~5時間持続するので、慌てて連続投与しないように指導