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臨床論文で服薬指導をアップデート!

更新日: 2020年8月29日 児島 悠史

「熱冷ましを使ったのに、こどもの熱が平熱まで下がらない」と焦る母親への対応

「解熱剤でも熱が下がらない!」と焦る母親への対応は?の画像

患者さんの質問に対して、回答に困ったことはありませんか? このシリーズでは臨床論文から得た知識を活用し、より説得力のある服薬指導をめざします。実際の服薬指導のシーンを想定した会話形式で紹介します。第4回は解熱剤の効果についてです。

今回の論文

J Pediatr (Rio J). 2010 May-Jun;86(3):228-32. PMID:20436978
内容:直腸温で39℃以上の小児60名に対し、「アセトアミノフェン」の内服薬(経口投与)と坐薬(直腸投与)で体温がどう変化するかを比較した研究。内服薬と坐薬で効果に差は認められず、投与1時間で0.7~1.3℃程度、投与3時間で1.4~2.0℃程度の解熱効果が確認された、という報告。


ポイント

point 解熱薬の目的は、高熱によるだるさ・辛さを解消することで、平熱まで下げることではない
point 実際に解熱薬の効果は、投与1時間で1.0℃、投与3時間で1.7℃ほど下げるくらい
point 効果は4~5時間持続するので、慌てて連続投与しないように指導


服薬指導アップデート!こどもの体温が平熱まで下がらないことに焦っている母親に対し、解熱薬の目的や効果の誤解を解き、潜在的な過量投与リスクに対処する

母親

もしもし、今朝そちらで風邪のお薬をいただいた者なのですけど・・・

薬剤師

はい、どうされましたか?

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児島 悠史
こじま ゆうし

薬剤師 / 薬学修士 / 日本薬剤師会JPALS CL6。
2011年に京都薬科大学大学院を修了後、薬局薬剤師として活動。
「誤解や偏見から生まれる悲劇を、正しい情報提供と教育によって防ぎたい」という理念のもと、ブログ「お薬Q&A~Fizz Drug Information」やTwitter「@Fizz_DI」を使って科学的根拠に基づいた医療情報の発信・共有を行うほか、大学や薬剤師会の研修会の講演、メディア出演・監修、雑誌の連載などにも携わる。
主な著書「薬局ですぐに役立つ薬の比較と使い分け100(羊土社)」、「OTC医薬品の比較の比較と使い分け(羊土社)」。
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