花粉症に対する「ステロイドの点鼻薬」、症状がひどくなってからしか使えない?
今回の論文
Ann Allergy Asthma Immunol . 2012 Dec;109(6):458-64. PMID: 23176888
内容:スギ/ヒノキ花粉症の患者を、①ステロイドの点鼻薬を“花粉飛散量が増え始めた直後に使用開始(初期療法)”したグループ、②ステロイドの点鼻薬を“症状が明確に現れてから使用開始”したグループに分けて、プラセボを対照に比較したランダム化比較試験。12週間の平均鼻症状スコアは、①初期療法群で2.3、②発症後治療群で3.9、プラセボ群で5.0と、ステロイドの点鼻薬は花粉が飛び始めた直後から使い始めた方がより効果的であることが示された。
花粉症の初期療法には「ステロイドの点鼻薬」も使える
初期療法を行うことで花粉症の悪化を防ぎ、シーズンを通して“楽に過ごせる”ようになる
服薬指導update!
「ステロイドの点鼻薬」は花粉症治療において最も効果的な薬だが、“ステロイド”という名前や、“点鼻”というデバイスから敬遠されがちである。また、その効果を実感している患者さんであっても、“症状がひどくなってからしか使えない薬”と考えて、なかなか使い始めてもらえないケースも多い。しかし、毎年のように症状がひどくなる人の場合、花粉が飛び始めたらすぐに使い始めることが効果的なため、こうした誤解は薬剤師としてしっかりと解消していきたい。