処方される薬の「数」が多いことを気にしている高血圧患者さんに伝えたいこと
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今回の論文
Am J Med . 2009 Mar;122(3):290-300. PMID: 19272490
内容:任意の2種類の降圧薬を併用した場合と、1種類の降圧薬を2倍に増量した場合の降圧効果を比較した、42件の研究のメタ解析。ACE阻害薬、Ca拮抗薬、利尿薬、β遮断薬などの異なる降圧薬を併用すると、同じ薬を2倍量に増量することに比べて、降圧効果はおよそ5倍大きくなる、という結果が示された。
「処方される薬の数」が増えれば副作用リスクも高くなるため、“不必要に薬の数が多い”のは問題
高血圧治療では、「1つの薬を増量」より「2つの薬の組み合わせ」の方が効果的
服薬指導update!
テレビや新聞などでも、「薬が多い」ことを問題視する意見はよくとり挙げられる。確かに、薬の数が増えればそれだけ副作用リスクも高くなるのは事実だが、“不必要な薬まで処方されていること”と“必要な薬の数が多いこと”は区別して考える必要がある。たとえば降圧治療でも「薬の数」は増えがちだが、そこにはどんな背景があるのか、少し知っておくだけでも服薬指導はちょっと変わる。
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