緑内障の点眼薬で、低血圧を起こす?
今回の論文
Clin Exp Ophthalmol . 2020 Jan;48(1):24-30.
内容:健康な成人21人を対象にしたクロスオーバー試験。β遮断薬「チモロール」の点眼液を使ったあと、鼻涙管閉塞を行った場合と何もしなかった場合とで、「チモロール」の全身移行と血圧・心拍数への影響を検証したもの。鼻涙管閉塞を行った場合は、何もしなかった場合に比べて、「チモロール」の全身移行が抑えられ(0.39ng/mL vs 1.11ng/mL)、血圧への影響も軽減された(-2.05mmHg vs -5.48mmHg)。
緑内障治療に用いるβ遮断薬(点眼)は、全身移行して血圧を5mmHg近く下げることがある
点眼後に行う「鼻涙管閉塞」は、点眼薬による全身性の副作用を軽減するのに重要
(服薬指導update!)
ARBやACE阻害薬、Ca拮抗薬、利尿薬などの降圧薬は、血圧をただ下げるだけでなく様々な臓器保護効果を期待して用いられることがあります。この場合、低血圧の副作用が現れても安易に薬を中止・減量するのは望ましくありません。そんなとき、降圧薬の減量や中止よりも優先的に対処すべきことがあります。その1つが、β遮断薬(点眼)の手技の確認です。