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臨床論文で服薬指導をアップデート!

更新日: 2025年2月8日 児島 悠史

患者から「タミフル」を使うと“異常行動”を起こすから怖い、という相談が

患者から「タミフル」を使うと“異常行動”を起こすから怖い、という相談が

インフルエンザの治療薬「オセルタミビル」による“異常行動”を怖がって薬を使いたがらない親御さんに出会ったとき、薬剤師として寄り添った対応をするのに必要なポイントの復習です。

患者
患者

「タミフル」を使うと“異常行動”を起こすと聞いたので、薬はあまり使いたくないのですが…

ノイラミニダーゼ阻害薬の「オセルタミビル(先発医薬品:タミフル)」は、子どものインフルエンザ治療にもよく用いられる薬ですが、この薬を使うと窓から飛び降りる、車道に飛び出るといった“異常行動”を起こすから怖い、と考えている親御さんは少なくありません。
イエローレター(緊急安全性情報)も出されたこのリスクには、薬剤師としてどのように対応すればよいのか、薬の有効性と安全性の両面から考えてみます。

参考になる論文

Pharmacoepidemiol Drug Saf . 2019 Apr;28(4):434-436.

(概要)
日本における、10代のインフルエンザ患者に対する「抗ウイルス薬の処方」と「異常行動」の関連を調べた研究。

(結果)

  • 異常行動の70%は、発熱2日以内に発生していた
  • 異常行動の発生率は、抗ウイルス薬の有無で差はなかった

☞アップデートの要所

  • 抗ウイルス薬を使っても使わなくても、“異常行動”の発生リスクは変わらない
  • 抗ウイルス薬を使わない場合でも、“異常行動”には注意が必要

または

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児島 悠史
こじま ゆうし

薬剤師 / 薬学修士 / 日本薬剤師会JPALS CL6。
2011年に京都薬科大学大学院を修了後、薬局薬剤師として活動。
「誤解や偏見から生まれる悲劇を、正しい情報提供と教育によって防ぎたい」という理念のもと、ブログ「お薬Q&A~Fizz Drug Information」やTwitter「@Fizz_DI」を使って科学的根拠に基づいた医療情報の発信・共有を行うほか、大学や薬剤師会の研修会の講演、メディア出演・監修、雑誌の連載などにも携わる。
主な著書「薬局ですぐに役立つ薬の比較と使い分け100(羊土社)」、「OTC医薬品の比較の比較と使い分け(羊土社)」。

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