臨床論文で服薬指導をアップデート!

更新日: 2026年7月2日 児島 悠史

26年7月OTC新発売!『ロゼレムS』は1回だけでちゃんと効くの…?

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患者
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新しく発売された『ロゼレムS』、これって本当に1回飲んだだけでも効くの?

2026年7月から要指導医薬品として販売が開始された『ロゼレムS』は、医療用医薬品の『ロゼレム』と同じメラトニン受容体作動薬「ラメルテオン」の製剤です。医療用医薬品では、不眠症の治療薬として基本的にしばらく続けて服用しますが、セルフメディケーションにおいては、必要時に“頓服”で用いることが多くなります。

「ラメルテオン」は、数ある睡眠薬の中でも比較的安全性が高い反面、その効果はやや緩やかです。そんな薬を“頓服”で1回飲んだくらいで、本当に満足できるような効果は期待できるのでしょうか。

今回は、こうした疑問を考えるのに役立つ研究を紹介します。

参考になる論文

Sleep Med . 2009 Jan;10(1):55-9.

一過性の不眠症状がある健康な成人に対する二重盲検ランダム化比較試験の解説図/児島悠史

一過性の不眠症状がある健康な成人に対する二重盲検ランダム化比較試験の解説図/筆者作成

(概要)
一過性の不眠症状がある健康な成人289名を対象に、「ラメルテオン8mg」と「プラセボ」を単回投与するグループに分け、その睡眠への影響を睡眠ポリグラフ検査で評価した二重盲検ランダム化比較試験。

(結果)
・「ラメルテオン」8mgの単回投与でも、健康成人の睡眠潜時を7~8分短縮、総睡眠時間を45分程度延長する効果が確認された。
・「ラメルテオン」による、翌朝への持ち越し効果は確認されなかった。


☞アップデートの要所
  • 「ラメルテオン」の“頓服”は、健康な人の一時的な不眠症状の解消にも効果がありそう

「ラメルテオン」を“頓服”で用いることの有効性

「ラメルテオン」は、体内時計を司るメラトニンの働きを調整することで眠気を催すタイプの睡眠薬です。不眠症の治療薬としては、他のベンゾジアゼピン系睡眠薬やオレキシン受容体拮抗薬のような薬に比べると副作用が少ないというメリットがある一方で、その効果はやさしめ1)なこともあり、そこまで劇的に効くイメージはないかもしれません。

しかし、「ラメルテオン」は不眠症治療においても、投与1~2日目から睡眠潜時を13分ほど短縮する効果が示されている2)など、決して速効性のない睡眠薬ではありません。そのため、“頓服”で用いることも、そこまで非合理的な使い方とは言えません。

ただ、問題はセルフメディケーションにおいては慢性的な不眠症ではなく、あくまで一時的な不眠に用いることになる、という点です。軽い症状に対してもすぐに効果が得られなければ、なかなか良い選択肢とはなり難いところがあるからです。

こうした疑問を解消してくれる1つのデータが、今回紹介した研究結果です。この研究では、不眠症ではない健康な成人の“一時的な不眠”に対しても、「ラメルテオン」の単回投与は7~8分ほど早く寝つけるようになる、45分ほど長く眠れるようになる…という効果を期待できる、ということになります。また、翌朝への眠気の持ち越しもなかったということから、安全性にも大きな問題は無さそうです。

これは、セルフメディケーションで使える睡眠改善薬としては悪くない、むしろ高い効果を期待できる使い勝手の良い薬、と言えそうです。

従来の睡眠改善薬「ジフェンヒドラミン」とはどう使い分ける?

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児島 悠史
こじま ゆうし

薬剤師 / 薬学修士 / 日本薬剤師会JPALS CL6。
2011年に京都薬科大学大学院を修了後、薬局薬剤師として活動。
「誤解や偏見から生まれる悲劇を、正しい情報提供と教育によって防ぎたい」という理念のもと、ブログ「お薬Q&A~Fizz Drug Information」やTwitter「@Fizz_DI」を使って科学的根拠に基づいた医療情報の発信・共有を行うほか、大学や薬剤師会の研修会の講演、メディア出演・監修、雑誌の連載などにも携わる。
主な著書「薬局ですぐに役立つ薬の比較と使い分け100(羊土社)」、「OTC医薬品の比較と使い分け(羊土社)」。

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