日光浴は、日陰やガラス越しでも効果がある?骨粗鬆症対策のポイント
骨粗鬆症の予防に重要な「ビタミンD」は、紫外線を浴びることによっても産生されます。そのため、骨粗鬆症の予防や治療に際しては、適度に紫外線を浴びることが重要になります。
しかし近年、夏場の気温は非常に高くなります。また、紫外線の浴びすぎは日焼けなどの肌へのダメージに繋がるため、“日光浴”を好ましく思わない患者さんも少なくありません。
そんなとき、より負担の少ない方法として「日陰」や「ガラス越し」に日光を浴びることは、“日光浴”の代わりとなり得るのでしょうか。
今回は、そんな疑問を考える際に役立つ、「日陰」や「ガラス越し」での紫外線の照射量を比較検証した論文を紹介します。
参考になる論文
J Steroid Biochem Mol Biol . 2005 Sep;96(5):431-6.
ビタミンDの産生に関わるUV-Bの照射量を、「直射日光」と「木陰/日傘の下」、「ガラス越しの室内」で比較した研究の解説図/筆者作成
(概要)
ビタミンDの産生に関わるUV-Bの照射量を、「直射日光」と「木陰/日傘の下」、「ガラス越しの室内」で比較した研究。
(結果)
・木陰や日傘の下では、有害なUV-Aは大幅に軽減しつつ、UV-Bも52~55%の照射量が保たれた。
- 木陰での“日光浴”は可能だが、ガラス越しの室内から太陽光を浴びてもビタミンDはあまり産生されない。
適度に紫外線を浴びる“日光浴”は、骨粗鬆症の対策として重要
「ビタミンD」は、カルシウムの吸収を助けて骨密度を維持する働きをするため、骨粗鬆症の予防や治療に重要な栄養素です。
魚やキノコ類などの食材から摂取したり、紫外線を浴びたりすることによって産生されます。
そのため、“日光浴”は骨粗鬆症の重要な対策の1つに挙げられています1)。
しかし、紫外線は日焼けやシミ・シワの原因にもなるため、“有害な紫外線”はできるだけ避けつつ、“ビタミンDの産生に必要な紫外線”だけを浴びるような日光浴が必要です。
このとき重要になるのが、ビタミンDの産生に大きく関わるのはUV-Bと呼ばれる、波長が短い紫外線だ2)、という点です。
肌の奥まで浸透してシミやシワの大きな原因になるUV-Aは、ビタミンDの産生にあまり関わっていないため、日光浴で浴びる必要はない、ということになります。
これを踏まえると、UV-Bだけを適度に浴びることができれば、シミやシワのリスクを避けつつ骨粗鬆症対策の日光浴ができる、ということになります。