48時間経過したインフルエンザに処方された抗ウイルス薬の服薬指導は?
「タミフル(一般名:オセルタミビル)」等のノイラミニダーゼ阻害薬は、基本的にインフルエンザの発症から48時間以内に投与する必要がある薬です。しかし、時には発症から48時間以上が経過している患者さんにも処方される場合があります。そんなとき、薬剤師はどのような服薬指導を行えば良いでしょうか。
■参考になる論文
Euro Surveill . 2023 Jan;28(4):2200340.
(概要)
2010~2020年の、欧州11ヶ国の入院患者19,937人のインフルエンザを対象にした研究。「ノイラミニダーゼ阻害薬」の使用有無とそのタイミングで、院内死亡率に差があるかどうかを調査したもの。
(結果)
・40歳以上の患者では、発症から5~7日後に投与された人でも死亡率は低かった
・80歳以上の患者では、発症から7日以降に投与された人でも死亡率は低かった
・10代、20代、30代の患者では、発症から48時間以内に投与しても死亡率に差はなかった
- 中高年以降の“ハイリスク”な患者では、発症から48時間以上が経過していても効果を期待できるかも
- 若年層では、48時間以内に投与しても重症化リスクは変わらなそう
ノイラミニダーゼ阻害薬は、発症から48時間以内に投与するのが基本
インフルエンザの治療に用いる「オセルタミビル」や「ラニナミビル」、「ザナミビル」といったノイラミニダーゼ阻害薬は、基本的に発症から48時間以内に投与を始める必要があります1)。これは、ウイルスの増殖を抑えるという作用メカニズム上、発症から一定の時間が経ってからでは効果を期待できない、というのが主な理由です。
実際、発症から48時間以上が経過してから抗ウイルス薬を使っても、特に有益な効果は得られなかったことが確認されており2)、添付文書にも「症状発現から48時間経過後に投与を開始した患者における有効性を裏付けるデータは得られていない」と記載されています1)。そのため、通常は発症から時間が経ったインフルエンザ患者さんには抗ウイルス薬は使わず、解熱薬や咳止めといった対症療法の薬のみで治療を行うことになります。
引用元:タミフルカプセルの添付文書より