【薬局英会話】「軟膏を1日2回、患部に塗ってください」をなんと言う?

今回は外用薬の服薬指導の英語表現を取り上げます。内服薬では動詞 "take" を使って「服用する」と表現しましたが、外用薬では剤形によって動詞を使い分ける必要があります。
また、使用するタイミングについても、内服薬と異なり食事と関係ない場合が多いので外用薬ならではの使用タイミングについても確認しましょう。さらに注意したいことは、外用薬の場合「部位」を指定することが多いですね。その場合は、その部位の前に前置詞が必要となります。その前置詞は、動詞や部位によって使い分けが必要です。
というわけで、内服薬よりも若干ややこしいところがあるのですが、今回もできるだけ単純な表現でマスターしましょう。
まずは、外用薬の名詞を覚えよう!

まず、外用薬にはどのようなものがあるでしょうか?代表的なものを挙げてみましょう。
- 貼付剤:patch※
- 塗布剤(軟膏):ointment
- 塗布剤(クリーム):cream
- 噴霧剤:spray
- 点眼薬:eye drops
- 坐薬:suppository
- 吸入薬:inhaler
- 注射薬:injection
などがあります。
細かいものを挙げるとまだまだありますが、投薬の機会が多いこれらの外用薬からマスターしましょう。
※貼付剤には、日本語ではテープ、パップ、プラスターなどいろいろな種類がありますが、とりあえず全て”patch”を使えば大丈夫です。
貼って、塗って、(目薬を)差して。外用薬の説明のポイントは?
それでは、外用薬の説明で必要な動詞をみていきましょう。
①外用薬で一番使える動詞 ”apply”
“apply”というと、どんな意味を思い出すでしょうか?
受験英語を振り返ると、「申し込む」や「適応する」などを思い出すかもしれませんね。実は、医療では「手当てをする」という場面で使用します。というわけで、手を当てられるような使用方法で使うと考えるとわかりやすいですよ。
例えば、貼付剤や塗布剤などがこれに当てはまります。貼る・塗るときには手を患部に当てますよね。そのイメージです。
そして、部位の前に使う前置詞は ”to” になります。
また、直接手は当てませんが、例外的に目薬をさすときも”apply”が使えます。目薬の場合は”put”などもよく使いますが、覚えることはできるだけ少なくしたいので、目薬も”apply”を使うと覚えてしまいましょう。
<公式> apply A to B
AをBに貼る(塗る、目薬を差す)
②噴霧剤、点鼻薬(スプレータイプ)は”spray”
噴霧剤、点鼻薬には、日本語でも使われる「スプレーする」” spray”がそのまま使えます。手を当てるというよりも、患部に間接的に噴きかける感じですね。そのため”apply”は使いません。
前置詞は部位によって異なりますが、広い範囲に噴きかける場合は”on” を、点鼻薬などの場合は”into” を使います。
<公式> spray A on B
AをBに噴霧する(広い範囲に噴きかける)
<公式> spray A into B
AをBに噴霧する(鼻に点鼻する)
③坐薬、膣錠などを「挿入する」時に使える”insert”
坐薬や膣錠は日本語で「挿入する」を使いますが、英語では”insert”を使います。
そして、前置詞は”into” です。
<公式> insert A into B
AをBに挿入する(お尻から坐薬をいれる)
実践!剤形と部位に注意して動詞を使い分けよう!
英文を作る前に、よく使う部位について覚えましょう。
部位は、手、足、顔、などの基礎英単語は大丈夫かと思いますので、その他、医療でよく使う単語について説明します。