【薬局英会話】副作用を英語で伝えるときなんて言う?

前回では、作用機序や薬効について患者さんに説明する際の表現を学びました。今回は取り上げるのは、副作用について説明をするときの表現です。
副作用はどこまで伝えるべきか悩みどころですが、眠気など日常生活に影響のある症状や、重要な副作用については前もって伝えることが重要です。
今回もシンプルな表現を使ったフレーズを取り上げていますので、まずは基本の構造を覚えて応用できるようにしましょう。
「〇〇の症状(副作用)が出るかもしれません」ってなんて言う?

「このお薬で〇〇の症状が出るかもしれません」を自然な英語にすると“This medicine may make you 〇〇(形容詞).”となります。
例)“This medicine may make you drowsy.”
「このお薬はあなたを眠くさせるかもしれません」≒この薬で眠くなるかもしれません
ここでは、“make” を「〜させる」使役の意味で使っています。ただし、使役構文は日本語話者にはあまりなじみがないかもしれません。そこで、「〜を引き起こす」という意味の “cause” を使うとこうなります。
「このお薬は眠気を引き起こすことがあります。」
“This medicine may cause drowsiness.”
なじみのある形になりましたね。ニュアンスとしては少しフォーマルになります。
ところで、副作用の説明は服薬指導の中でよく行います。例えば「今日はアレルギーのお薬が出ていますね。これは眠気が出ることがありますのでご注意ください」など。このような時には、もっとシンプルに表現できる便利な構文があります。
それが、以前から何度も紹介している“have + 名詞(症状)” の公式です。
例)「眠くなるかもしれません」
“You may have drowsiness.”
第3回でまとめたように、have+症状(名詞形)で「症状がある」という意味でしたね。使役の”make”を使う時は以下の形容詞を使用し、より簡単な基本の”have”を使う時は、名詞を使用します。
形容詞(be, feel get, becomeなどと) | 名詞(haveとセットで使える) | ||
眠い | drowsy | 眠気 | drowsiness |
ふらついた | dizzy | ふらつき | dizziness |
痺れた | numb | 痺れ | numbness |
こわばった | stiff | こわばり/こり | stiffness |
吐き気がする | nauseous | 吐き気 | nausea |
落ち込んだ | depressed | 落ち込み/うつ | depression |
不安な | anxious | 不安 | anxiety |
ほとんどの場合どちらでも表現ができますが、英語が苦手な方には “have + 名詞” の方が簡単で使いやすいですね。
<公式>
「〇〇の症状が出るかもしれません。」
”You may have 〇〇(名詞).”
患者に服用前に知っておいてほしい副作用について伝えよう
注意喚起として、患者に伝えることが多い副作用の例を見てみましょう。日本語の「なる」「出る」などの動詞に惑わされず、すべて “have + 名詞” で表現するのがポイントです。