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薬歴ビフォーアフター~薬歴の悩み、解決します~

更新日: 2020年11月8日

薬歴のP(Plan)のかき分け方について教えてください

薬歴ビフォーアフターの画像1

読者の方から、Pのかき分けについてのお悩み相談をいただきました。似たようなことはどこでもあるのではないかと思いますので、今日はこの件を取り上げてみましょう。

お悩み

転職した薬局では薬歴のP(Plan)がEP、CP、OPと分かれており、以前の勤め先と書き方が違います。どうしたらいいでしょうか?

それはローカルルールです

あなたがいらっしゃる薬局では、P(Plan)をEP (Educational Plan)、CP(Care Plan)、OP(Observational Plan)に分けて書くというルールがあるわけですね。薬歴の記載方法をいろいろ工夫するのは良いことですので、それ自体は、私は良いと思います。ただ、実はこれ、POSのオリジナルには存在しないのです。ですから、施設ごとのローカルルールということになります。たまたま以前勤めていた薬局にも同じようなローカルルールがあっただけであり、その内容が違っていたということです。ローカルルールですから、ある意味施設ごとに違っていて当たり前だともいえます。

ただPlanをこのように分けて考えるやり方は、大学時代に教わった記憶があるかもしれませんね。そのため、多くの薬剤師が本来のSOAPであると勘違いしていると思われます。でも実はちょっと違うんです。学生時代にどのように習ったのか、よ~く思い出してみてください。

本来のPOSには初期計画と経過記録がある

本来のPOSには「初期計画」と「経過記録」があります。日野原重明先生の著書『医療と医学教育の革新のための新しいシステム」(医学書院/1973)には、「初期計画のPlanにおいて、DP(Diagnostic Plan)、EP (Educational Plan)、CP(Care Plan)を立てよ」と書いてありますが、これはあくまで初期計画の話であり、初期計画と、その後の通院時の記録である経過記録とはまったく違うモノなのです。
そして経過記録のPは、特に分けたりはしていません。つまり、本来のPOSでは、経過記録のPを分けるような書き方はしないのです。経過記録におけるPは、「やったこと、言ったこと」になるということは、すでに何度も触れている通りです。プロブレムに着目してアセスメントに基づいて患者さんにお話しした内容は、そもそも「計画」ではありませんので、OP、EP、CPと分けるメリットはあまりないと私は考えます。

大学でPOS形式を教わったみなさんは、何らかの演習か何かでやったのではないかと想像します。OP、EP、CPと分けて考えたのは、この初期計画を立てる演習だったはずです。薬剤師は医師と違い診断はしませんから、DP(診断計画)がOP(観察計画)に置き換わったのでしょう。学生の勉強にはこのようにさまざまな見方をすることはとても良いことなので、演習としては素晴らしいと思うのですが、これは日々の経過記録、つまり日常書く薬歴とは違うモノなのです。

ところが、それぞれの薬局でローカルルールを作る際に、この初期計画と経過記録をごっちゃにして、通常の経過記録の中でこのようなOP、EP、CPを書くというルールができてしまいました。経過記録であっても、プロブレムの取り上げ方によってはそのように分けで考えた方がわかりやすいこともあるかもしれませんので、そのようなケースでは書いても良いと思いますが、「必ずこのように書かなければいけない」と言われてしまうと、多分、アセスメントがうまく書けなくなると思います。柔軟な運用が望まれるところです。

ローカルルールには従うが、おかしければ声をあげよう

Pを分けるというのは、ローカルルールであり、本来のPOSにはないモノですから、正しいとか間違っているとか、そういうことではありません。ローカルルールはどのように決めようと自由ですから、あなたもその施設に入局したのならば、 前のルールは忘れてその施設のローカルルールを覚えるしかありません。そしてもしそのルールが「使いにくい」「効率が悪い」「おかしい」と思うのならば、きちんと声を出して施設内で話し合いの場を持ってください。勝手にルールを破ってはいけませんが、もしそれがあまり良くないルールだと思うならば、そのルールを変更するように、現場で努力してください。

そしてご自身の勉強としては、「Problem Orientedに患者さんを見る」ことができるような思考方法をしっかり学んでください。その方がよっぽど大切です。

それでは実際の症例で見てみましょう。

〈症例〉
67歳の男性。二人の子どもたちはそれぞれ結婚し家を出ている。市役所を定年後は妻と二人暮らしでずっと家にいる。非常に几帳面な性格で定年前に健康診断で高血圧を指摘されて以来8年ほどずっと薬を飲み続けている。残薬は全くない。


〈処方〉
ニューロタン(25)   1日1錠 朝食後 30日分

薬歴ビフォーアフターの画像

薬歴Before

S)薬はちゃんと飲んでるよ。
O)処方はDo。残薬はまったくない。通院も規則正しく月に1回。
A)継続服用
EP)このまま続けてお飲みください。
CP)お薬を飲むときは、お水で飲んでください。
OP)残薬があった場合はお申し出ください。

薬歴ビフォーアフターの画像

無理やりEP、CP、OPを書くと、このようになるという典型的な薬歴ですね。時間に余裕があればこのようなことをお話になるかもしれませんが、この情報が次回以降の服薬指導に役に立つ情報であるとは思えません。無駄な記載は止めましょう。

解決!

薬歴を書くときにはつねにプロブレムの意識を持ちましょう!


実際にはこの日、「最近血圧が低いときが多いんだけどやっぱり薬は飲まないといけないのかな?」と聞かれたらしいのです。それには「そうですね。お薬を飲んでの値ですから、飲むのを止めたら、また高くなってしまうかもしれません」と答えたそうなのです。…

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岡村 祐聡の画像

岡村 祐聡
おかむら まさとし

有限会社服薬ケア研究所所長。明治薬科大学薬学部薬剤学科卒業。
都内調剤薬局や調剤薬局チェーンの教育担当管理職を経て、1997年に『服薬ケア研究所』を設立。
「服薬ケア」理論を各地で提唱し続け、全国各地で開催される研修会や服薬セミナーなどでも精力的な活動を行っている。 2002年には、服薬ケアを学ぶ全国の有志で設立された「服薬ケア研究会」から要請を受け、会頭に就任。最新著書は「10日間で極意をつかむ選ばれるかかりつけ薬剤師になる 患者応対技術と服薬ケアコミュニケーション」(診断と治療社)。書籍の詳細は服薬ケア研究所のホームページを参照。
http://www.fukuyaku.com/FCcommunication.html
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