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薬歴ビフォーアフター~薬歴の悩み、解決します~

更新日: 2018年10月26日

第3回 副作用相談、薬歴にどう残す?

「患者対応、メーカーや医師への問い合わせ内容などを全部書こうとすると、うまくまとまりません。」
薬歴ビフォーアフター~薬歴の悩み、解決します~
お悩み
頭痛薬を飲むと尿意が我慢出来ないので夜は飲めない、という患者さん。なんて言えばよいのでしょう?また、薬歴にはどう残すのがよいですか?
患者さん:Cさん女性28歳。
以前から頭痛持ちだったが、3か月ほど前から市販の頭痛薬では効かなくなり受診。片頭痛と診断され片頭痛薬のAが処方される。薬はとてもよく効いたが、飲んだ後に我慢できない尿意が半日くらい続くとのこと。夜に頭痛があったときは、トイレでほとんど眠れなかったため、夜は頭痛があっても飲めないということでした。
 添付文書では、そのような症状は確認できなかったため、メーカーに確認したところ、「1例、2時間おきのひどい尿意の報告。9例、頻尿の報告あり。作用機序不明」との回答を得ました。

[処方内容]
A薬 10mg 1回1錠 屯用 6回分。(1日2回まで)
 今回のお悩みは、次のようなケースです。
「調べてみます」とお話しましたが、調べてみたら少ないけれど副作用の報告はあることがわかりました。次の来局時、どのようにお話したら良いでしょう?「やはり我慢できない尿意はお薬によるものです」と伝えたからといって、「これまで通りお飲みください」では、何も患者さんに寄り添っていないですよね?また薬歴にはどのように記載しておくのがよいでしょうか。
解決!
まず処方医とよく話をして副作用報告を!
 これは薬歴の悩みというより、薬剤師の役割とは何かというもっと根源的な問題ですね。医療における薬剤師の役割は何なのかを明確にして、できることを確実に行いましょう。まず真っ先にすべきことは、処方医に話(もしかすると説得?)して、副作用の報告をすることです。時に副作用報告を出したがらないドクターもいらっしゃるようですが、副作用のモニタリングは薬剤師の役割としてもっとも重要なことのひとつです。とくに添付文書に乗っていないような副作用を発見した場合は、必ず報告を出してください。
  • 処方変更などの対応も一緒に処方医に相談
 当然「それは副作用でした」と報告すればおしまいではありません。同時に、処方変更など具体的な対応について処方医とよく相談しましょう。
  • その場で疑義紹介がベスト。翌日以降に対応した場合も、来局を待たずに患者 さんへこちらから連絡
 対応としては、患者さんにその場でお待ちいただき、メーカーへの確認から必要であれば疑義紹介まで行うのがベストです。  たとえ「次の来局時までに調べておきます」と約束した場合でも、状況がわかり次第すぐにこちらから患者さんに連絡しましょう。もしメーカーからの返事が遅く、医師への相談が数日後になってしまった場合は、処方変更では対応できません。いつ発作が起きるかわかりませんので、患者さんに連絡して早めに受診してもらい、新しい薬を処方してもらってください。
 メーカーや医師への問い合わせ、患者さんへの対応など色々と行いましたが、薬歴上はどのように残すのがよいのでしょうか。
Before
[薬歴]
  • (S)お薬はよく効くのですが、飲んだ後我慢できない尿意が半日くらい続きます。夜飲むと頻繁のトイレで眠れません。そのため仕事がある平日は頭が痛くてもこの薬飲めないんです。
  • (O)併用薬なし。頻尿を訴えるが添付文書には記載なし。
  • (A)添付文書には記載がないので念のためメーカーに問い合わせてみた方がよい。
  • (P)それは大変ですね。お薬と関係があるかどうか、次回までに調べてみます。
 Beforeでは、副作用に関するメーカー問い合わせ内容や、医師への確認事項などについて記載されていませんね。どこにプロブレムの中心を置くのかを意識してみましょう。 患者さんにお待ちいただき、処方変更できたとして薬歴の記載例を示します。
After
[薬歴]
  • (プロブレム)「強い夜間頻尿のため夜間は頭が痛くても薬が飲めない」旨添付文書に記載がないためメーカーに問い合わせ必要
  • (S)お薬はよく効くのですが、飲んだ後我慢できない尿意が半日くらい続きます。夜飲むと頻繁のトイレで眠れません。そのため仕事がある平日は、頭が痛くてもこの薬は飲めないんです。
  • (O)併用薬なし。頻尿を訴えるが添付文書には記載なし。医師には伝えていない。
  • (A)念のためメーカーに問い合わせてみた方がよい
  • (P)メーカーに問い合わせ
  • O2 問い合わせの結果「1例2時間おきのひどい尿意の報告。9例頻尿の報告あり。作用機序不明」とのこと。
  • ●メーカーからの返事を処方医に連絡し、処方変更を打診。「B薬20mg1回1錠 屯用 2回分」に変更。「試しにこちらを飲んでみてください」とのこと。副作用報告についても依頼。書いてくださるとのこと。
  • 来局後のフォローも、薬歴に残す
 薬歴の記載方法は、どこにプロブレムの中心を置くかによって変わってきます。今回は、患者さんからの訴えを受け、添付文書に記載がないため「メーカーに問い合わせる」ところをプロブレムの中心に置きました。したがって、そのプロブレムについては、SOAPで記載する必要があります。
 それ以後の対応はそのプロブレムの結果起きたことではありますが、プロブレムそのものは別のものとなります。アセスメントが必要な事柄であれば、別のSOAPを立てる(つまり、SOAPが2つになる)ことになりますが、この場合は、医師からの処方変更の指示に従って対応しただけなので、SOAPとは別に箇条書きにすればよいでしょう。なお、そのプロブレムPに従った行動の結果をSOAPの中に記載する場合は、S2もしくはO2という記載方法がお勧めです。これはそのプロブレムを取り上げた結果がどうだったのかを記載しておくもので、患者さんに対する指導が正しかったことを証明することができます。今回は、「メーカーへの問い合わせ」がプロブレムなので、その返事をO2として記載しました。
  • 薬剤師の役割を明確にしてできることを確実に行おう!
 薬剤師の仕事は、お薬をお渡しして必要な指導をすればそれでおしまいではありません。医療における薬剤師の役割は、「薬物治療が安全で効果的に行われること」に責任を持つことです。副作用のモニタリングはその中でももっとも重要な役割のひとつと言えるでしょう。まずそのあたりを明確に意識してください。
 そして何より「患者さんのためにはどうするのが最善なのか」を考えてください。今回の例でも、次の診察まで待っていたのでは、夜発作が起きた時には、頭が痛くても薬が飲めない状態になってしまいます。それを避けるためには、できるだけ早く新しいお薬を患者さんの手元にお届けすることが必要です。
第34回「本物の薬剤師!」養成講座 開催
テーマ:受診勧奨の見極めポイントvol.3 ~その症状、本当に胃薬でいいですか?~
日時:2018年12月23日(日) 10:00~16:00
場所:板橋区立グリーンホール 504会議室
   〒173-0015 東京都板橋区栄町36-1 Tel.03-3579-2221
詳細およびお申込はhttp://www.fukuyaku.net/news/news.html#181223
プロフィール

岡村 祐聡(おかむら まさとし)

有限会社服薬ケア研究所所長。明治薬科大学薬学部薬剤学科卒業。
都内調剤薬局や調剤薬局チェーンの教育担当管理職を経て、1997年に『服薬ケア研究所』を設立。
「服薬ケア」理論を各地で提唱し続け、全国各地で開催される研修会や服薬セミナーなどでも精力的な活動を行っている。
2002年には、服薬ケアを学ぶ全国の有志で設立された「服薬ケア研究会」から要請を受け、会頭に就任。
最新著書は「10日間で極意をつかむ選ばれるかかりつけ薬剤師になる 患者応対技術と服薬ケアコミュニケーション」(診断と治療社)。書籍の詳細は服薬ケア研究所のホームページを参照。
http://www.fukuyaku.com/FCcommunication.html

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