薬歴ビフォーアフター~薬歴の悩み、解決します~

更新日: 2022年6月1日 岡村 祐聡

特定の薬をいらないとおっしゃる患者さん

特定の薬をいらないとおっしゃる患者さんのメイン画像1
お悩み

前回初めて受診した患者さんは、「処方薬を飲むことでかえって具合が悪くなった」といきどおっていました。今回、同じ薬がまた処方されていることを知り、「その薬は飲むとかえって具合が悪くなるからいらない。前のも余っているので返品したい」とおっしゃいます。この薬歴では伝わっていないように自分でも思います。どのように書けば良いでしょうか?

(症例)
27歳女性。統合失調症。前回初めて受診しリスペリドンが14日分処方されたが、10日目で来局。先生からは「違う薬を出しましょう」と話があり、今回リスペリドンはそのままで、プロメタジンが加わっている。


〈今回の処方〉
  Rp. リスペリドン錠1㎎  1錠
              分1 夕食後 14日分
  Rp. プロメタジン錠25㎎  1錠
              分1 夕食後 14日分

〈今回の処方〉
 Rp. リスペリドン錠1㎎  1錠
    分1 夕食後 14日分
 Rp. プロメタジン錠25㎎  1錠
    分1 夕食後 14日分

特定の薬をいらないとおっしゃる患者さんの画像1

薬歴Before

S) この薬飲むとかえって具合が悪くなるので、飲みません。前のも少し余っているので、返品したいです。
O) 医師からは「違う薬を出しましょう」と話があったため、リスペリドンが変更になるものと思っていたが、継続していたのでそれはいらないとのお話あり。
A) 先生の意図を誤解していると思われる。
P) リスペリドンの副作用を抑えるお薬が新しく出たプロメタジンです。両方一緒に飲むことで良くなるはずですので、一緒に飲んで下さい。
特定の薬をいらないとおっしゃる患者さんの画像2

患者さんとのやり取りがわかるような記録を

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岡村 祐聡
おかむら まさとし

有限会社服薬ケア研究所所長。明治薬科大学薬学部薬剤学科卒業。
都内調剤薬局や調剤薬局チェーンの教育担当管理職を経て、1997年に『服薬ケア研究所』を設立。
「服薬ケア」理論を各地で提唱し続け、全国各地で開催される研修会や服薬セミナーなどでも精力的な活動を行っている。 2002年に設立した「服薬ケア研究所」は、2021年に「一般社団法人服薬ケア医療学会」へと組織変更。理事長へと就任。薬剤師の医療の向上のため活動を続けている。

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