患者さんとの「漢方薬が苦手」という雑談は薬歴に書くべき?
ひと通り服薬指導も終わり、お会計も済んで「お大事に」とあいさつをした後、帰りかけの患者さんがポロっと「私漢方薬苦手なのよね…」とおっしゃったので、漢方薬の飲み方などについて、少しだけお話をしました。でもそれは服薬指導が終わった後なので薬歴には書きませんでした。ただ、服薬指導以外でお話したことの方が、患者さんは喜んでくれたような気がするので、なんだかスッキリしません。どうすればよかったのでしょうか?
(症例)
72歳 女性
〈処方〉
Rp. ツムラ三黄瀉心湯エキス顆粒(医療用)7.5g
1日3回 毎食前服用 14日分
〈処方〉
Rp. ツムラ三黄瀉心湯エキス顆粒
(医療用)7.5g
1日3回 毎食前服用 14日分
薬歴Before
- ここ最近顔がすごく火照るんです。昨日の夜なんかは「アイスノン」で頬を冷やさないと眠れなかった。
- 先生に診てもらったら「自律神経が乱れているのかもね」と言われました。
- 顔が火照る症状に対して処方されている漢方薬です。食前の服用なのでだいたい30分前を目安に服用してください。飲み忘れた場合は食後の服用になっても大丈夫なので、まずは1日3回飲む習慣をつけましょう。
現状の薬歴も箇条書きでわかりやすいが…
この薬歴は簡潔ですが要点を掴んでいて、とてもわかりやすく読むことができます。特に指導内容を端折らずにしっかり書いてあるところがとても良いと思います。
惜しむらくは、薬剤師の医療者としてのアセスメントが書かれていないことですね。指導内容は初回服薬指導としては正しい指導だと思いますが、薬剤師としてこの患者さんを見て不安な様子とか、何か感じるものはなかったのでしょうか。例えば最低でも「漢方薬はこれまでに飲んだことはあるか」は聞くべきだったでしょうね。実際後で実は漢方薬が苦手だとわかったわけですから、こちらからそれを聞き出せるような患者応対技術を身に付けると、もっと質の高い医療を短時間で行なうことができるようになると思います。