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薬歴ビフォーアフター~薬歴の悩み、解決します~

更新日: 2023年1月15日 岡村 祐聡

医師への問合せを患者さん本人から断られた。それでよかった?

医師への問合せを患者さん本人から断られた。それでよかった?のメイン画像1
お悩み

前立腺肥大で治療を受けていた男性が、今回膀胱の手術後、処方せんをもって来局しました。「1週間前に処方された薬は続けて飲むのか?」と質問されたので、医師に問合せする旨を伝えると「それは止めてくれ。先生を疑っているみたいで嫌だ」ということで、問合せを拒否。そのままお薬はお渡ししましたが、ご本人は「止めるようにといわれていないので、前の薬も続けて飲む」とおっしゃっていました。

(症例)
70歳 男性
定期薬としてセルニルトン、シロドシン、八味地黄丸を10日ほど前に処方。
本日膀胱手術で以下の処方が出た。


〈処方〉
  Rp.セフカペン錠100mg    3錠
    カルバゾクロム錠10mg  3錠
    トラネキサム酸錠250mg  3錠
    分3 毎食後 5日分

医師への問合せを患者さん本人から断られた。それでよかった?の画像1

薬歴Before

#: 定期薬を飲み続けてもいいか

S) 前立腺肥大と漢方の薬はいっしょに飲み続けてもいいのですか?
先生は特に薬をやめるようにおっしゃってはいなかったです (先生に問い合わせてみましょうかとお聞きするも)いいです。先生を疑っているみたいなので。
O) 新規処方
A) 術後の薬は前立腺手術でなく膀胱の手術なので、飲み続けることになるだろう。先生に問い合わせることを提案するも、結構ですとの答えだった。
EP) 薬効用法説明
医師への問合せを患者さん本人から断られた。それでよかった?の画像2

まず「薬効用法説明」はダメです。これでは記録したことにはなりません。どのように説明したのか、具体的な内容を記録する必要があります。

患者さんに納得してもらい医師への問合せはすべき

まずこのケースは、本人が嫌がったとしても、きちんと説得して問合せすべきだと考えます。「患者さんが嫌がったから」という理由で、本来やるべきことを省略してしまったのでは、医療者として薬剤師が存在する意味がありません。その意味合いをきちんとお伝えして、本人に納得してもらった上で問い合わせをすべきでした。

どうしても気になって上長に確認してみると

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岡村 祐聡
おかむら まさとし

有限会社服薬ケア研究所所長。明治薬科大学薬学部薬剤学科卒業。
都内調剤薬局や調剤薬局チェーンの教育担当管理職を経て、1997年に『服薬ケア研究所』を設立。
「服薬ケア」理論を各地で提唱し続け、全国各地で開催される研修会や服薬セミナーなどでも精力的な活動を行っている。 2002年に設立した「服薬ケア研究所」は、2021年に「一般社団法人服薬ケア医療学会」へと組織変更。理事長へと就任。薬剤師の医療の向上のため活動を続けている。

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