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薬歴ビフォーアフター~薬歴の悩み、解決します~

更新日: 2023年6月15日 岡村 祐聡

お酒をどうしても飲みたいという患者さんへの服薬指導

お酒をどうしても飲みたいという患者さんへの服薬指導のメイン画像1
お悩み

お酒を控えるように伝えたのですが、「それなら薬は飲みたくない」と、頑なにお酒を飲みたがる患者さん。ひと通り説明はしましたが、お酒を控えてくれるのか、それとも薬を飲むのをやめてしまうのか、正直わかりません。フォローアップの約束はしましたが…。こんな時どうすれば良かったのでしょうか。また薬歴はこれでいいでしょうか?

(症例)
47歳 男性 病院も初診。不安な気持ちが強く仕事が手に付かないということでメンタルヘルス科を受診。会社もしばらく休むように医師より指示があった。


〈処方〉
Rp.レクサプロ錠10mg  1錠  分1  夕食後   20日分
Rp.ロラゼパム錠0.5m  1錠  屯用20回分  不安時

お酒をどうしても飲みたいという患者さんへの服薬指導の画像1

薬歴Before

S) 飲酒毎日。(かなり強固に)お酒を飲まないと不安でしょうがない。お酒飲めないなら薬は飲みたくない。
O) 両剤初薬。処方薬は飲酒と併用は良くないと説明した→大変がっかりされた様子。
A) 飲酒できないためコンプライアンスが低下する可能性。
P) レクサプロ錠10mg
適応障害の主治療薬です。毎日服用することで徐々に効果が出てきます。
嘔気など消化器症状は2〜3週間以内に治まってくることが多いです。
ロラゼパム錠0.5mg:不安や緊張を和らげたり、心理的な要因による体の不調を改善する薬です。
両剤とも飲酒と併用は良くないです。
安全に治療できているか後日フォローします。
2日後に電話することを伝えた。
Pnext) フォローアップ必要。お酒を控えることができているか、お薬を飲めているか確認。
お酒をどうしても飲みたいという患者さんへの服薬指導の画像2

医師が何と言ったのかを聞き出して薬歴に記載しよう

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岡村 祐聡
おかむら まさとし

有限会社服薬ケア研究所所長。明治薬科大学薬学部薬剤学科卒業。
都内調剤薬局や調剤薬局チェーンの教育担当管理職を経て、1997年に『服薬ケア研究所』を設立。
「服薬ケア」理論を各地で提唱し続け、全国各地で開催される研修会や服薬セミナーなどでも精力的な活動を行っている。 2002年に設立した「服薬ケア研究所」は、2021年に「一般社団法人服薬ケア医療学会」へと組織変更。理事長へと就任。薬剤師の医療の向上のため活動を続けている。

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