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薬歴ビフォーアフター~薬歴の悩み、解決します~

更新日: 2024年1月29日 岡村 祐聡

普段とは違う病院へかかった患者さんの薬歴の書き方

普段とは違う病院へかかった患者さんの薬歴の書き方のメイン画像1
お悩み

普段から来局されている80代に女性患者さんがいつもと違う病院へ救急で受診。私たちはわかっているのですが、この薬歴では事情がよくわからないと思います。このような非常事態の薬歴はどう書けば良いのでしょうか?

(症例)
80歳女性。いつも膝が痛いということでビタミンDと痛み止め(セレコックス)が処方されているおばあさんが、歩いているときに歩道の段差でころび、救急車でいつもとは違う病院へ運ばれました。


(いつもの薬)=前回は3日前に処方されている。
エディロールCap0.75㎍   1Cap
     1日1回 朝食後  
セレコキシブ100㎎     2錠
     1日2回 朝夕食後 30日分

(今日の処方薬)
ザルトプロフェン80mg      3錠
レバミピド錠            3錠
     1日3回 毎食後  14日分
フェルビナクテープ70mg    24枚
1日2枚 足に貼付

普段とは違う病院へかかった患者さんの薬歴の書き方の画像1

薬歴Before

# いつもの痛み止めと合わせて飲まないようにしっかり指導しておく。

S) ころんで足を打ってすごく腫れちゃった。すぐに歩けなくて、周りの方たちが救急車を呼んでくださったのよ。
O) 本人
レントゲンで骨折はなし。患部は真っ赤に腫れて熱を持っている。
A) いつもセレコキシブを服用しているが、今回は腫れがひどいのでザルトプロフェンを飲んでもらう。内服と湿布で腫れが引くのを待つ。
P) 今まで飲んでいた緑色の痛み止めは飲まずに、今日から2週間はザルトプロフェンを飲んで様子見てください。
普段とは違う病院へかかった患者さんの薬歴の書き方の画像2

その日の薬歴を見ただけですべての事情がわかるように書く

ご本人も「この薬歴では事情がよくわからない」と言っているように、この薬歴では何が起きたのか、何が問題なのか、全くわかりません。これでは医療記録としては不足と言えるでしょう

医療記録として「その薬歴を見ただけですべての事情がわかるように書く」のが大原則です。「私たちはわかっているのだけれど…」というのはダメです。

幸い病院が変わっても同じ薬局に来てくださったようなので、過去の処方薬は前の薬歴を見ればわかると思います。したがって、処方薬を繰り返して書く必要はないでしょう。

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岡村 祐聡
おかむら まさとし

有限会社服薬ケア研究所所長。明治薬科大学薬学部薬剤学科卒業。
都内調剤薬局や調剤薬局チェーンの教育担当管理職を経て、1997年に『服薬ケア研究所』を設立。
「服薬ケア」理論を各地で提唱し続け、全国各地で開催される研修会や服薬セミナーなどでも精力的な活動を行っている。 2002年に設立した「服薬ケア研究所」は、2021年に「一般社団法人服薬ケア医療学会」へと組織変更。理事長へと就任。薬剤師の医療の向上のため活動を続けている。

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