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薬歴ビフォーアフター~薬歴の悩み、解決します~

更新日: 2024年2月28日 岡村 祐聡

クロナゼパム錠を服薬中にお酒を飲みたいと訴える患者さん

薬歴ビフォーアフターの画像1
お悩み

クロナゼパム錠を服用中の患者さん。お酒は控えていたが、どうしても飲みたいと訴えるが、医師は曖昧な返事しかしなかったらしい。このような薬歴になりましたがどうすれば良かったでしょうか?

(症例)
70歳男性。1月に手の振るえが気になるとの事で受診し、クロナゼパム錠0.5㎎分1、朝食後で開始。2月末から「振るえがまだあるから」とクロナゼパム増量。2錠分2 朝夕食後。薬情に「アルコール類は、薬の作用を強めることがありますので避けてください」と書いてあるのを見て、それまで毎日、日本酒と焼酎を飲んでいたが飲むのをやめていた。春の花見の時期も飲まなかった。しかし本人はそろそろ暑くなる時期だからビールを飲みたいと医師に相談するも、曖昧な返事しかもらえなかった。


〈処方〉
  Rp.クロナゼパム錠 1回1錠 1日2回 朝夕食後 14日分

薬歴ビフォーアフターの画像

薬歴Before

S) お酒を飲みたいけどダメかな?ノンアルコールビールは飲んだ気がしない。
暑くなってきたし、ビールを飲みたい。 先生は「1杯くらいはね~」と笑ってたけど、よいとは言わなかった。
A) 飲酒で中枢神経抑制作用増強
P) 眠気が強く出たり、注意力が低下することがあるので飲酒は控えたほうがいいです。
薬歴ビフォーアフターの画像

「飲酒で中枢神経抑制作用増強」はアセスメントではない

薬歴の書き方の問題というよりは、薬剤師としてどのように対処すべきかというのがお悩みの本質のようですね。

まず薬歴のことから。「飲酒で中枢神経抑制作用増強」はアセスメントではありません。それを踏まえて、薬剤師としてどのような指導が必要と考えたのか、それがアセスメントです。

では、添付文書に何て書いてあるかというと、併用注意の欄にアルコール(飲酒)があり、「中枢神経抑制作用が増強されることがある。併用しないことが望ましいが、やむを得ず投与する場合には慎重に投与すること。」とあります。絶対ダメではないということですね。医師の曖昧な返事が、結局のところ正しいということになります。

これまでまじめに飲酒を控えていた患者さんに薬剤師としてなんと言うべきか

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岡村 祐聡
おかむら まさとし

有限会社服薬ケア研究所所長。明治薬科大学薬学部薬剤学科卒業。
都内調剤薬局や調剤薬局チェーンの教育担当管理職を経て、1997年に『服薬ケア研究所』を設立。
「服薬ケア」理論を各地で提唱し続け、全国各地で開催される研修会や服薬セミナーなどでも精力的な活動を行っている。 2002年には、服薬ケアを学ぶ全国の有志で設立された「服薬ケア研究会」から要請を受け、会頭に就任。最新著書は「10日間で極意をつかむ選ばれるかかりつけ薬剤師になる 患者応対技術と服薬ケアコミュニケーション」(診断と治療社)。書籍の詳細は服薬ケア研究所のホームページを参照。
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