調剤報酬改定によるハイリスク薬の薬歴の書き方、算定ルールの変更について
2024年6月から、調剤報酬改定によりハイリスク薬の加算のルールが変わりました。薬歴に記載することはこれまでと同じで良いでしょうか?
(症例)
69歳男性。10年程前に胸の痛みで受診した際に心房細動と診断され、お薬を飲み始めました。今日は血圧の薬とワーファリン、両方が変ったため、患者さんはなんだか不安な様子です。
〈処方〉
ワーファリン錠1mg 2錠
テノーミン錠25 1錠
分1 朝食後 30日分
ブロプレス錠4mg 1錠
分1 朝食後 30日分
薬歴Before
S) | なんだか血が固まりにくくなっていると言われた。薬の量を変えると言われたけど、どいう言うこと? 血圧の薬も増やすって言われた。「まだ少し高いね」だって。 |
O) | Do処方 血圧140/85、先月までPT-INR2.0から2.2くらいだったのに、今回2.8だった。ワーファリン1.5㎎⇒1mg。ブロプレス2mg→4mg。 |
A) | ワーファリンによる副作用症状無し。 |
P) | 引き続き家でも血圧をはかってください。 |
ハイリスク薬の算定ルールが変わりました
2024年6月施行の調剤報酬改定において、ハイリスク薬の算定ルールが変わりました。従来通りのハイリスク薬1は、最初の処方時に1回だけしか算定できなくなり、用法用量の変更、副作用の発現等、薬剤師が必要と認めて指導を行った場合には5点が算定できるようになります。
さらにハイリスク薬3が新設され、RMPが策定されている場合、緊急安全性情報等が新たに発出された場合、供給が不安定で在庫がない場合にその説明をした場合、後発品がある薬なのに先発品を希望した患者に説明をした場合などに、5点算定できます。
詳しい算定条件は、それぞれきちんと調べて対応していただきたいと思いますが、ここでは、薬歴に書かなければいけないことが増えた部分の解説をしておきたいと思います。