薬歴ビフォーアフター~薬歴の悩み、解決します~

更新日: 2024年9月20日 岡村 祐聡

薬歴はSOAP情報の過不足を意識した書き方をしよう

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お悩み

今回、患者さんから「膝のためのサプリを飲むのはどう?」という相談があったので、サプリより運動して体重を減らすことの方が重要だと考え、その点をプロブレムとして取り上げてみました。薬歴の記載はこれで良いでしょうか?

(症例)
男性 69歳。
現在腎機能がだんだん低下しており、投薬こそないが年に2回ほど腎臓内科へ受診して経過観察中。約1年前、右ひざ痛を感じるようになり、それまで行っていた散歩を止めてしまったため、体重増加が止まらずこの1年で5kgほど増加した。


〈処方〉
1.テルミサルタン錠40㎎     1錠
  アテレック錠10         1錠
  1日1回朝食後         28日分
2,シロスタゾール錠100㎎     2錠
  ファモチジン錠10㎎      2錠
  ベザフィブラート徐放錠200㎎  2錠
  1日2回朝夕食後        28日分

〈処方〉
1.テルミサルタン錠40㎎    1錠
 アテレック錠10         1錠
 1日1回朝食後        28日分
2,シロスタゾール錠100㎎   2錠
 ファモチジン錠10㎎     2錠
 ベザフィブラート徐放錠200㎎ 2錠
 1日2回朝夕食後      28日分

薬歴はSOAP情報の過不足を意識した書き方をしようの画像1

薬歴Before

プロブレム)膝のためにはサプリメントを飲むより運動をしてもらおう。

S) 寒いので膝の具合が良くない。膝のためのサプリメントを飲むのはどうかな? ダンベルはもうこりごりだしね。
O) 腎機能が良い状態ではない。膝を昨年傷めて以来、散歩を止めた。
A) 膝のためには、サプリメントの服用よりも体重を少しでも落とした方が効果的なので、運動をしてもらおう。
P) 腎機能のこともありますし、サプリメントはあまりお勧めしたくありません。膝のためには、少しでも体重を減らす方が、効果的だと思いますので、ハードルの低い座ったままできる運動からまずは始めてみましょう。
薬歴はSOAP情報の過不足を意識した書き方をしようの画像2

薬歴にSOAP情報の過不足があるようです

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岡村 祐聡
おかむら まさとし

有限会社服薬ケア研究所所長。明治薬科大学薬学部薬剤学科卒業。
都内調剤薬局や調剤薬局チェーンの教育担当管理職を経て、1997年に『服薬ケア研究所』を設立。
「服薬ケア」理論を各地で提唱し続け、全国各地で開催される研修会や服薬セミナーなどでも精力的な活動を行っている。 2002年に設立した「服薬ケア研究所」は、2021年に「一般社団法人服薬ケア医療学会」へと組織変更。理事長へと就任。薬剤師の医療の向上のため活動を続けている。

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