SOAPのAで「SEあり」としているが、薬歴に情報が全くない。どう判断した?
粉薬が飲めない患者さんに対して、カプセルへの充填を提案して患者さんには喜ばれました。こんな薬歴で良いでしょうか?
(症例)
女性 72歳。
当初アスパラカリウム錠が処方されていたが、入手困難なため、アスパラカリウム散へ問合せにより処方変更。「この患者さんは散剤が飲めない」ため、市販のカプセルに充填することを提案すると「本人がそれで良いなら変更可」との返事。
〈処方〉
イスコチン錠100mg | 1日2錠朝2錠 朝食前服用 |
リファンピシンカプセル150mg | 1日3カプセル朝3カプセル 朝食前服用 |
ピリドキサール錠10mg | 1日3錠朝3錠 朝食前服用 |
アスパラカリウム散50% | 1日9g朝3g 昼3g 夕3g 毎食後服用 |
28日分 |
〈処方〉
イスコチン錠100mg
1日2錠朝2錠 朝食前服用
リファンピシンカプセル150mg
1日3カプセル朝3カプセル朝食前服用
ピリドキサール錠10mg
1日3錠朝3錠 朝食前服用
アスパラカリウム散50%
1日9g朝3g昼3g夕3g毎食後服用
28日分
薬歴Before
S) | ・病院で塩化カリウム徐放錠の採用がなく、アスパラカリウム錠にての処方だったが流通停止品目のため、アスパラカリウム散に変更。 →散剤は飲めないとのことで空カプセルへの充填提案。 ⇒アスパラカリウム散(カプセルに充填)でお渡し。 |
A) | 入院中にリファンピシンで好中球減少のSEあり。 |
P) | すぐにカプセル充填できないので、ご主人にアスパラカリウム散以外のお薬を一包化して先にお渡し。 同日18:30頃アスパラカリウム散(カプセル)ご自宅にお届け※空カプセルが足りず、4日分しか作れず。 【翌日】 アスパラカリウム散残りをカプセルに充填してお届け。 ◆疑義照会◆ ・TELにて処方医に問い合わせ アスパラカリウム錠300mg流通停止品のため、在庫なし。同成分のアスパラカリウム散に変更できないか? →Pt.が散剤は服用不可とDr.より話あり。カプセルに充填してお渡しするのは? →Pt.の同意得られ、 アスパラカリウム錠300mg15錠分3毎食後21日分→アスパラカリウム散50%9g分3毎食後変更。Dr.確認済み。 |
薬歴の書き方で「入院中にリファンピシンで好中球減少のSEあり」はアセスメントではない
Aには「入院中にリファンピシンで好中球減少のSEあり」とありますが、これはアセスメントではありませんね。そもそもアセスメントとは「薬剤師が医療者として判断したこと」です。副作用があったと判断したなら、どんな副作用がいつあったのか、それがO情報に書かれていなければなりません。
そもそも、薬歴記載の全体は、「アスパラカリウム錠がないから散に変更したが、本人が散剤を飲めないからカプセルに充填した」ということしか書かれていません。だとするとSEの話はプロブレムとは全く関係のない話ですから、記載が必要ならSOAPの外に箇条書きで記載しましょう。