薬歴のSとOを整理すると、とても読みやすいSOAPになる。
薬歴の書き方で患者さんの情報をSとOにどのように分配すれば良いでしょうか? いつもそこで悩みます。
(症例)
40代女性。片頭痛で長年通院中。
〈処方〉
ゾルミトリプタンOD 1錠 疼痛時 1日2回まで 12回分
前回までこれ以外に、
ミグリステン錠(20) 3錠 1日3回 毎食後30日分
が処方されていたが、今回から注射に変更。
薬歴Before
S) | 今回からエムガルディという注射を2本打ちました |
O) | ミグリステン続けていても先月6回発作があって2~3日続くのでつらい。ゾルミトリプタンも1回に2錠飲まないとつらいです。ミグリステンは中止と言われました。 頭痛ダイアリーというのももらいました。 毎月注射打つそうですが効果あるのでしょうか。お金もちょっとかかるし。 |
A) | 使用に不安あるようなので効果について説明してきちんと記録してもらう。 |
P) | こちらの説明書にある通り、痛みの原因物質をとらえて片頭痛を改善する薬です。 片頭痛の頻度を減らす効果があるので〇〇さんのように発作が多い方は頻度も減ることが期待できます。副作用はこちらの冊子にある通りです。 今までのミグリステンで十分な効果がなかったようなので、ちょっと費用はかかりますが少し続けてみてはどうでしょうか。頭痛ダイアリーで記録とると効果がわかりやすいですよ。先生にも次回見せてください。 |
S₂) | そうですね。どうなるか何回か試してみます。 |
SOAPが構成できているのでアセスメントはこれで良い
SOAPがきちんと構成されている薬歴を観るときは、まずアセスメント(A)を見ます。アセスメントに対して、どのようなOとSがあるのか、そしてアセスメントを受けてどのような指導(P)をしたのか、その関係性から全体を把握します。
アセスメントには、「使用に不安あるようなので効果について説明してきちんと記録してもらう」とあり、飲み薬から注射に変わった点について「不安」があることを指摘しています。これがプロブレムですね。その「不安」に対して丁寧な指導をしていることが、記録されています。良いと思います。