不眠を訴える患者さん。薬歴のSOAPはどうする?
2種類もお薬を飲んでいるのに、不眠を訴える患者さんです。どうしたらよいでしょう?
(症例)
95歳男性。お元気で特に悪いところはないが、不眠を訴え通院している。
〈処方〉
ラメルテオン錠8mg1T
ベルソムラ錠15mg1T 就寝前 35日分
薬歴Before
# 夜眠れない。夜にお友達と電話をするということなので、夜ではなく朝や昼にするよう夜寝る前の習慣についてお伝えした。
S) | 夜は眠れんのよ。20時に布団に入ってTVを見て、21時頃に寝るんだけどね、それから寝つきが悪く、夜中に目が覚めることがあるのよ。 (一緒に来られていたご家族) 夜にお友達と電話をすることがあるのよ。これは控えたほうがええよね? |
O) | ラメルテオン錠8mg1T ベルソムラ錠15mg1T 就寝前 35日分 が、継続して処方されている。 |
A) | 寝る前にTV、友人と携帯電話でお話をされている。 寝る前にTVや携帯電話でお話をされると眠りにくくなるので控えるよう指導。 それでも眠れない場合は先生に相談するようお伝え。 20時に布団に入ってTVを見ながら寝ている、21時過ぎてからしばらくして寝ているといった可能性もある。(本人が眠れていないと思い込んでいる?)ため、ご家族とのお話を踏まえて本人とお話をして確認する必要性あり。 |
P) | 寝る前にTVを見たり、携帯電話でお話をされると眠りにくくなりますので、控えるようにしましょう。 お友達とのお電話は、朝やお昼にするとよいです。 寝る前は部屋を薄暗くし、温かい飲み物を飲んで過ごしてみてください。 次回、不眠症状を確認。 |
プロブレムとはアセスメントに表れる
プロブレムネームが書いてあるのは、とても好感が持てます。プロブレムネームを書くだけで、SOAPの質は向上しますので、ぜひ皆さんもプロブレムネームを書くようにしましょう。
さて、プロブレムネームを書くと、なぜ質が向上するのかということですが、プロブレムネームとAは基本的に同じ内容(文言は多少異なっても良い)になるはずです。ところが、Aには、複数のプロブレムが混在した記載となっており、さらに「本人が眠れていないと思っているが本当は眠っているのではないか」との記載もあります。
もし本当に薬剤師としてそう感じたなら、これは一つのとても重要なプロブレムです。そしてプロブレムネームとは異なったプロブレムになります。