便秘を訴える患者さん。薬歴のSOAPはこれで良いのか?
便秘を訴える患者さんの薬歴です。SOAPはうまく書けたとおもうのですが、もう少し簡潔にするためにはどうしたらよいのでしょうか?
(症例)
84歳女性。便通が良くない。
〈処方〉
酸化マグネシウム錠330mg2T
アミティーザカプセル24μg 2カプセル 朝夕食後 28日分
ベオーバ錠50mg 1T 朝夕食後 28日分
薬歴Before
S) | 先生に言って、薬の量を増やしてもらったの。うさぎのような、コロコロした便が出るのよ。 食事は取れているわ。今日、お腹が痛かったの。 |
O) | 前回アミティーザカプセル12μg2T朝夕食後28日分→今回アミティーザカプセル24μg2T朝夕食後35日分へ増量。便秘症状が続いている。 |
A) | 便秘症状が続いているのでアミティーザが12μg→24μgへ増量になった。腹痛も訴えている。 薬効・用法用量、便秘症状改善方法として、水分補給をしっかり行うこと、ヨーグルトやみそ汁などの発酵食品を食べることで腸内環境が整い、便秘改善につながることを説明した。 |
P) | 前回は12μgだったのが、今回は24μgへ増量しています。朝晩食後に飲んで様子を見てください。 薬を飲むだけでなく、食生活も見直してみましょう。水分補給をしっかり行い、ヨーグルトやみそ汁などの発酵食品を食べましょう。 発酵食品を食べることで腸内環境が整い、便秘改善につながります。 次回、アミティーザカプセル増量後の体調変化、便秘症状の確認。 |
アセスメントの記載は全くなく、プロブレムは抽出されていない
ご本人はうまくSOAPで書くことができたと思っているようですが、Aを見ても、薬剤師のアセスメントの記載は全くないですね。
Aの記述を順番に見ていきますと、「便秘症状が続いているのでアミティーザが12μg→24μgへ増量になった」「腹痛も訴えている」というのは、どちらも事実ですから、必要ならOに書くべき内容です。「薬効・用法用量、便秘症状改善方法として、水分補給をしっかり行うこと、ヨーグルトやみそ汁などの発酵食品を食べることで腸内環境が整い、便秘改善につながることを説明した」というのは、指導内容ですから、本来ならPに書くべき内容です。つまり、アセスメントは全くないということになります。
Pの記載から、薬剤師として言っていることは「薬が増量になったので様子を見てください」だけであり、プロブレムは全く抽出されていないことになります。