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薬歴ビフォーアフター~薬歴の悩み、解決します~

更新日: 2019年4月26日 岡村 祐聡

薬剤師として何をすれば良いのか?

〜患者さんの話に耳を傾けよう〜
薬歴ビフォーアフター~薬歴の悩み、解決します~薬剤師として何をすれば良いのか?〜患者さんの話に耳を傾けよう〜の画像
お悩み
患者さんが希望したのに医師が睡眠薬を出してくれなかった。継続服用する薬はあるが、どのように声をかければいいのでしょうか?
今回の患者さんはIさん。76歳の男性です。
7年ほど前に奥様を亡くし、その頃から高血圧を指摘され、服薬開始。3年ほど前から処方には変わりありませんし。アドヒアランスは良好で、血圧も落ちついています。実は前回(28日前)、眠れないという訴えで、睡眠薬が出ましたが、あまり効果がなかったばかりか、唾液が出なくなったということで、中止になりました。今回は以前の血圧の薬だけの処方です。
こんなとき、なんとアドバイスすれば良いでしょう。「血圧の薬は、今まで通り継続服用してください」というのは、患者さんも言われなくてもわかっていますよね。さらに患者さんの「眠れない」という訴えに対しては「我慢してください」というしかないのでしょうか。

[処方内容]

アムロジピンOD錠2.5mg 1錠 1日1回朝食後
イミダプリル塩酸塩錠5mg 1錠 1日1回朝食後 28日分
Before
薬歴ビフォーアフター~薬歴の悩み、解決します~薬剤師として何をすれば良いのか?〜患者さんの話に耳を傾けよう〜beforeの画像1
[薬歴]
前回出た睡眠薬は、本人が希望したところ「唾液が出なくなるなら薬はダメ」と医師に言われたとのこと。今回は血圧の薬のみ。併用薬なし。副作用なし。継続服用。
薬歴ビフォーアフター~薬歴の悩み、解決します~薬剤師として何をすれば良いのか?〜患者さんの話に耳を傾けよう〜beforeの画像2

 さて、この患者さんは先生から「睡眠薬は出せない」と言われてどんな気持ちだったのでしょう。薬歴には「本人は希望した」と書いてあります。だとすればきっと「薬はダメだ」と言われて、がっかりしたのではないでしょうか。このコーナーでも何度も出てきている「感情への着目」という言葉。これは常に頭の隅に置いておいてください。
 今日のお悩みはきっと「感情に着目してから、どうすれば良いのか?」というその次の段階のお悩みだとお察しします。なぜならすでにこの薬剤師さん、感情への着目はできているからです。できているからこそ「どうすれば良いのか?」と悩んでいるのだと思います。

解決!

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岡村 祐聡
おかむら まさとし

有限会社服薬ケア研究所所長。明治薬科大学薬学部薬剤学科卒業。
都内調剤薬局や調剤薬局チェーンの教育担当管理職を経て、1997年に『服薬ケア研究所』を設立。
「服薬ケア」理論を各地で提唱し続け、全国各地で開催される研修会や服薬セミナーなどでも精力的な活動を行っている。 2002年に設立した「服薬ケア研究所」は、2021年に「一般社団法人服薬ケア医療学会」へと組織変更。理事長へと就任。薬剤師の医療の向上のため活動を続けている。

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