疑義照会をした際SOAPで薬歴を書かない例

ある患者さんの処方せんで疑義照会による薬の変更をしました。以前疑義照会はP(プロブレム)に書くように学びましたが、これで良いでしょうか。なんだかうまく書けているとは思えません。このような場合はどうしたら良いでしょうか?
(患者)
55歳 男性。今日はヒルナミン錠50mg 1T 分1 夕食後 が追加になったが、ヒルナミン錠50mgの取り扱いがないため、同効先発品のレボドミン錠25㎎ 2T分1への変更を疑義照会。レボトミン(レボメプロマジン)の上限は200㎎のため今回の処方追加で総計105㎎はOKと判断。
(今日の処方)
炭酸リチウム錠200mg 4T 1日2回朝夕食後
ミルタザピン錠15mg 1T
エスタゾラム錠2mg 2T
レボトミン錠25mg 1T
バルプロ酸ナトリウム細粒40% 3g
コントミン糖衣錠100mg 2T 1日1回就寝前
アリピプラゾール錠12mg 1T
フェノフィブラート錠53.3mg 1T
アトルバスタチンOD錠10mg 1T
チラーヂンS錠50μg1T 1日1回朝食後
炭酸リチウム錠100mg 1T 1日1回昼食後
レボトミン錠5mg 6T 1日3回毎食後
医師の指示にて一包化 28日分
・本日上記、処方に追加の処方あり。
Rp ヒルナミン錠50mg 1T 分1 夕食後 12日分

薬歴Before
S) | 月曜から気分の浮き沈みが激しくなってきたので、追加の処方をお願いしている。 |
O) | 本日、ヒルナミン錠50mg 1T 分1夕食後 12日分が追加になる。 定期処方は一包化済み。追加分は一包化に入れなくてよいとのことでそのまま持って帰る。 |
A) | レボドミン錠25㎎ 2T分1への変更してもかまわないか、問い合わせの必要あり。 |
P) | 疑義照会 |
O₂) | 変更OK |

疑義照会がPに来るのは、薬剤師としての何らかの判断があった場合
確かに以前このコーナーで、「薬剤師が『疑義照会が必要である』と判断をした場合、その判断をA(アセスメント)に記載し、疑義照会するという事実はP(プロブレム)に記載する」と書きました。
それはあくまで「薬剤師としての何らかの医療判断があった場合」のことであり、疑義照会すべき事柄が、薬剤師から見て一つのプロブレムであった場合のことです。
今回は単に取り扱いがないために同効他剤に変更させてもらっただけであり、薬学的な判断があったわけではありません。したがってプロブレムとして扱ったわけではないのに、SOAPで記載するのはおかしいということになります。
「疑義照会した」という事実だけをとらえるのではなく、薬剤師として、医療者としてどんな判断をしたのかという観点で、薬歴に記載すべきこととその書き方を考えてください。