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薬歴ビフォーアフター~薬歴の悩み、解決します~

更新日: 2025年5月14日 岡村 祐聡

疑義照会をした際SOAPで薬歴を書かない例

疑義照会をした際SOAPで薬歴を書かない例のメイン画像
お悩み

ある患者さんの処方せんで疑義照会による薬の変更をしました。以前疑義照会はP(プロブレム)に書くように学びましたが、これで良いでしょうか。なんだかうまく書けているとは思えません。このような場合はどうしたら良いでしょうか?

(患者)
55歳 男性。今日はヒルナミン錠50mg 1T 分1 夕食後 が追加になったが、ヒルナミン錠50mgの取り扱いがないため、同効先発品のレボドミン錠25㎎ 2T分1への変更を疑義照会。レボトミン(レボメプロマジン)の上限は200㎎のため今回の処方追加で総計105㎎はOKと判断。


(今日の処方)
炭酸リチウム錠200mg 4T     1日2回朝夕食後

ミルタザピン錠15mg 1T
エスタゾラム錠2mg 2T
レボトミン錠25mg 1T
バルプロ酸ナトリウム細粒40% 3g
コントミン糖衣錠100mg 2T       1日1回就寝前

アリピプラゾール錠12mg 1T
フェノフィブラート錠53.3mg 1T
アトルバスタチンOD錠10mg 1T
チラーヂンS錠50μg1T          1日1回朝食後

炭酸リチウム錠100mg 1T     1日1回昼食後

レボトミン錠5mg 6T        1日3回毎食後
医師の指示にて一包化     28日分

・本日上記、処方に追加の処方あり。
Rp ヒルナミン錠50mg  1T 分1 夕食後 12日分

薬歴ビフォーアフターの画像

薬歴Before

S) 月曜から気分の浮き沈みが激しくなってきたので、追加の処方をお願いしている。
O) 本日、ヒルナミン錠50mg 1T 分1夕食後 12日分が追加になる。
定期処方は一包化済み。追加分は一包化に入れなくてよいとのことでそのまま持って帰る。
A) レボドミン錠25㎎ 2T分1への変更してもかまわないか、問い合わせの必要あり。
P) 疑義照会
O₂) 変更OK
薬歴ビフォーアフターの画像

疑義照会がPに来るのは、薬剤師としての何らかの判断があった場合

確かに以前このコーナーで、「薬剤師が『疑義照会が必要である』と判断をした場合、その判断をA(アセスメント)に記載し、疑義照会するという事実はP(プロブレム)に記載する」と書きました。

それはあくまで「薬剤師としての何らかの医療判断があった場合」のことであり、疑義照会すべき事柄が、薬剤師から見て一つのプロブレムであった場合のことです。

今回は単に取り扱いがないために同効他剤に変更させてもらっただけであり、薬学的な判断があったわけではありません。したがってプロブレムとして扱ったわけではないのに、SOAPで記載するのはおかしいということになります。

「疑義照会した」という事実だけをとらえるのではなく、薬剤師として、医療者としてどんな判断をしたのかという観点で、薬歴に記載すべきこととその書き方を考えてください。

なぜレボメプロマジンの上限をチェックしたのに書いていないのか

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岡村 祐聡
おかむら まさとし

有限会社服薬ケア研究所所長。明治薬科大学薬学部薬剤学科卒業。
都内調剤薬局や調剤薬局チェーンの教育担当管理職を経て、1997年に『服薬ケア研究所』を設立。
「服薬ケア」理論を各地で提唱し続け、全国各地で開催される研修会や服薬セミナーなどでも精力的な活動を行っている。 2002年に設立した「服薬ケア研究所」は、2021年に「一般社団法人服薬ケア医療学会」へと組織変更。理事長へと就任。薬剤師の医療の向上のため活動を続けている。

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