薬歴ビフォーアフター~薬歴の悩み、解決します~

更新日: 2019年5月24日 岡村 祐聡

問い合わせがあったときの薬歴の書き方

薬歴ビフォーアフター~薬歴の悩み、解決します~問い合わせがあったときの薬歴の書き方の画像
お悩み
疑義照会をした場合の書き方はこれで良いでしょうか?
患者さんは58歳の女性。
少し神経質なところもある方ですが、おとなしくて真面目そうな方です。最近血圧が安定しておらず、しばらく飲まなかった血圧の薬をまた飲むことになってしまいました。以前、具合が悪くなったことがあり、お薬への不安もあるようです。
患者さんの希望を聞き、医師に疑義照会をして処方内容を変更してもらいました。疑義照会をしたときの薬歴の書き方はこれで正しいでしょうか?

[処方内容]

アムロジピンOD錠 5mg 1錠分 1朝食後 30日分

 今回は、質問が多い疑義照会をしたときの薬歴の書き方について一例をお示ししたいと思います。

Before
薬歴ビフォーアフター~薬歴の悩み、解決します~問い合わせがあったときの薬歴の書き方 beforeの画像1
[薬歴]
  • (S)しばらく血圧の薬を飲まなくて良かったけど、また上がってきた。160/70~80くらい。いつも7時と21時に測ってます。今回の処方は前と同じ薬ですか?以前飲んだとき、急に血圧が下がって動悸がしたことがあるから優しいのが良いんだけど。
  • (O)併用薬無し。副作用歴無し。今回は前と同じ薬の処方。
    患者さんはできるだけ薬は飲まない主義で、仕方なく昨年から血圧の薬だけ飲み始めたとのこと。
  • (A)疑義照会で患者さんの希望を伝え、アムロジピンの2.5mgを医師に提案してみたところ、OKとのこと。
  • (P)半分の量になりました。これで様子を見て下さい。ほてり、めまいなどに気を付けて。
薬歴ビフォーアフター~薬歴の悩み、解決します~問い合わせがあったときの薬歴の書き方 beforeの画像2
  • 疑義照会の場合、プロブレムの取り上げ方で書き方は変わる

 この連載でも何度も取り上げてきましたが、POSというのはSOAPで薬歴を書くことではなく、プロブレムごとにSOAPで考えて、プロブレムを明確にしていくことです。
つまりPOSの基本は、「どのようにプロブレムを捉えたのか」であり、その捉え方によってSOAPの構成は変わってきます。「疑義照会はこのように書く」という決まりがあるわけではありません。ケースごとに「どのようにプロブレムを捉えたのか」をよく考え、判断して行きましょう。
 今回のケースでは、患者さん自身が以前同じ薬を飲んで、急に血圧が下がり動悸がした経験があり、同じ薬を飲むことを不安に感じているようでした。もとの薬歴では、疑義照会にて半量の薬を提案し、医師からOKがでて処方変更となった旨が書かれています。
このとき薬剤師はどんな判断をしたのでしょうか。

解決!
プロブレムの中心はアセスメントであり、アセスメントがプロブレムを表す

 プロブレムの中心はアセスメントです。このケースの場合、薬剤師は、
 A:「以前、具合の悪くなった薬ではなく、弱い薬(量が半分)に変えてもらって、安心してもらいたい」
 と考え、
 P:「問い合わせ」
をしたはずです。だとするとこのプロブレムのSOAPの基本骨格としては、この…

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岡村 祐聡
おかむら まさとし

有限会社服薬ケア研究所所長。明治薬科大学薬学部薬剤学科卒業。
都内調剤薬局や調剤薬局チェーンの教育担当管理職を経て、1997年に『服薬ケア研究所』を設立。
「服薬ケア」理論を各地で提唱し続け、全国各地で開催される研修会や服薬セミナーなどでも精力的な活動を行っている。 2002年には、服薬ケアを学ぶ全国の有志で設立された「服薬ケア研究会」から要請を受け、会頭に就任。最新著書は「10日間で極意をつかむ選ばれるかかりつけ薬剤師になる 患者応対技術と服薬ケアコミュニケーション」(診断と治療社)。書籍の詳細は服薬ケア研究所のホームページを参照。
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