問い合わせがあったときの薬歴の書き方
少し神経質なところもある方ですが、おとなしくて真面目そうな方です。最近血圧が安定しておらず、しばらく飲まなかった血圧の薬をまた飲むことになってしまいました。以前、具合が悪くなったことがあり、お薬への不安もあるようです。
患者さんの希望を聞き、医師に疑義照会をして処方内容を変更してもらいました。疑義照会をしたときの薬歴の書き方はこれで正しいでしょうか?
[処方内容]
アムロジピンOD錠 5mg 1錠分 1朝食後 30日分今回は、質問が多い疑義照会をしたときの薬歴の書き方について一例をお示ししたいと思います。
- (S)しばらく血圧の薬を飲まなくて良かったけど、また上がってきた。160/70~80くらい。いつも7時と21時に測ってます。今回の処方は前と同じ薬ですか?以前飲んだとき、急に血圧が下がって動悸がしたことがあるから優しいのが良いんだけど。
-
(O)併用薬無し。副作用歴無し。今回は前と同じ薬の処方。
患者さんはできるだけ薬は飲まない主義で、仕方なく昨年から血圧の薬だけ飲み始めたとのこと。 - (A)疑義照会で患者さんの希望を伝え、アムロジピンの2.5mgを医師に提案してみたところ、OKとのこと。
- (P)半分の量になりました。これで様子を見て下さい。ほてり、めまいなどに気を付けて。
- 疑義照会の場合、プロブレムの取り上げ方で書き方は変わる
この連載でも何度も取り上げてきましたが、POSというのはSOAPで薬歴を書くことではなく、プロブレムごとにSOAPで考えて、プロブレムを明確にしていくことです。
つまりPOSの基本は、「どのようにプロブレムを捉えたのか」であり、その捉え方によってSOAPの構成は変わってきます。「疑義照会はこのように書く」という決まりがあるわけではありません。ケースごとに「どのようにプロブレムを捉えたのか」をよく考え、判断して行きましょう。
今回のケースでは、患者さん自身が以前同じ薬を飲んで、急に血圧が下がり動悸がした経験があり、同じ薬を飲むことを不安に感じているようでした。もとの薬歴では、疑義照会にて半量の薬を提案し、医師からOKがでて処方変更となった旨が書かれています。
このとき薬剤師はどんな判断をしたのでしょうか。
プロブレムの中心はアセスメントです。このケースの場合、薬剤師は、
A:「以前、具合の悪くなった薬ではなく、弱い薬(量が半分)に変えてもらって、安心してもらいたい」
と考え、
P:「問い合わせ」
をしたはずです。だとするとこのプロブレムのSOAPの基本骨格としては、この…