薬歴ビフォーアフター~薬歴の悩み、解決します~

更新日: 2026年2月23日 岡村 祐聡

プロブレムを絞ることはクラスタリングの第一歩

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お悩み

今回はプロブレムを塩分の話のみにしました。他にも気になることはたくさんありますが、薬歴としてはこれで良いでしょうか?

(患者)
70代 男性。高血圧、糖尿病、脂質異常症。


〈処方〉
アムロジピン10mg 1錠
ピオグリタゾン30mg 1錠
ピオグリタゾン15mg 1錠
ネシーナ25mg 1錠   1日1回 朝食後 56日分
メトグルコ250mg 4錠  1日2回 朝夕食後 56日分
ベザフィブラート100mg 1錠 1日1回 夕食後 56日分
(前回までは200mgだった。今回より減量) 

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薬歴Before

# 塩分を控えるよう、奥様とも相談する方が良い

S) 前回の採血結果を渡されて説明されたけど何だかよく分からなかった。コレステロールの薬は減らすと言われて腎臓がなんとか言っていた。
O) 腎臓を注意されてそう言えば塩分を減らすように言われた。でも他の人みたいに醤油もソースも塩もかけずにそのまま食べてる。妻が料理するのでそのまま食べてるよ。
妻はしょっぱい物が大好きで色々料理して食べてるけど自分は食べないようにしてるよ。
妻に腎臓や塩分の話はしてないな。よく分からないし。
A) 食事の際に塩分は摂っていないが、妻は塩分制限を知らないので料理について相談し治療に協力する必要がある。
P) 塩分によく注意されてますね。記録を見ると腎機能は少しずつ低下しており,今は中程度の働きしかしていません。料理そのものの塩分がちょっと多い可能性もあります。奥様は塩分制限のことを知らないようですのできちんと話して料理の際に使ってるお塩など調味料について工夫できることがないか一緒に考えてみてはどうでしょう。
  • ベザフィブラートの含量が200mgから100mgに減量については医師の説明を本人は覚えていないので、こちらからは「過去の経過を見る限りLDLは120台で安定しており,TGも元々正常範囲だが100未満を維持してるので減らしてみたのでしょう」と説明。
  • 基本的に医師の説明が分からないと訴えており理解できていない傾向。
  • 医師が注意している塩分のみに絞ったが、今後は糖尿病と腎機能への影響、食事量は適正かなど徐々に確認して本人に理解をしてもらう必要がある。
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「今回は塩分に絞った」というのは、とても良い判断

最後にも記載されているが、本人と奥様の病識等が甘く、生活上の注意もきちんとできていない可能性があります。しかし、いっぺんにいろいろ言っても、効果はありませんので、「今回は塩分に絞った」というのは、とても良い判断だと思います。

ある程度お年も召していらっしゃいますし、どの程度病識、薬識があるのかわかりません。なかなか難しいケースだとは思いますが、根気よくお話を伺いながら、少しでも食生活を改善できると良いと思います。

薬歴に書くために細かく事実を確認しましょう

ちょっと気になるのは、Oで、「妻が料理するのでそのまま食べてるよ」のあとに「妻はしょっぱい物が大好きで色々料理して食べてるけど自分は食べないようにしてるよ」と書いてありますが、ちょっと矛盾していますね。結局、奥様の料理は食べているのか、食べていないのか、わかりません。ただ、「妻に腎臓や塩分の話はしてないな。よく分からないし。」と書いてあるので、「そのまま食べている」の方が自然かなとは思います。

薬歴の書き方が不正確なのか、正確に聞き取っていないのかわかりませんが、この辺はハッキリさせないと、今回のテーマの「塩分制限」ができているのか、できていないのか、わからないことになってしまいます。これは薬歴としては良い薬歴とは言えません。

プロブレムの意識はあるようですね

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岡村 祐聡
おかむら まさとし

有限会社服薬ケア研究所所長。明治薬科大学薬学部薬剤学科卒業。
都内調剤薬局や調剤薬局チェーンの教育担当管理職を経て、1997年に『服薬ケア研究所』を設立。
「服薬ケア」理論を各地で提唱し続け、全国各地で開催される研修会や服薬セミナーなどでも精力的な活動を行っている。 2002年に設立した「服薬ケア研究所」は、2021年に「一般社団法人服薬ケア医療学会」へと組織変更。理事長へと就任。薬剤師の医療の向上のため活動を続けている。

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