薬歴ビフォーアフター~薬歴の悩み、解決します~

更新日: 2019年8月23日 岡村 祐聡

薬歴をうまく書くコツはありますか?

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お悩み
患者さんにいろんなことを言われて、簡潔に薬歴を書くコツがわかりません。
患者さんといろいろお話はするのですが、それを簡潔に薬歴に書くことができません。いつも他の薬剤師から「この患者さんはどんなこと言っていたのですか?」とか「なにがあったのですか?」と聞かれて、そのたびに説明しないといけない状況です。
どうすれば簡潔にわかりやすい薬歴が書けるようになるでしょうか?

まず、患者さんに関心を寄せ、よく見ましょう!

 このような薬歴、ときどきお目にかかることがありますね。薬歴を見ても、なにがあったのか、患者さんがなんと言ったのか、ほとんどわからない薬歴です。それでは、服薬指導がおざなりなのかなと思うと、必ずしもそういうわけではないようなのです。実際に患者さんと話しているところを拝見すると、結構しっかりと話をしているのに、薬歴にきちんと書かれていない状況なのです。
 そんな薬剤師さんにお話を伺うと、「話している最中はいろいろ思い浮かんで、患者さんに対する指導はそれなりにできているのだが、薬歴を書くときになると、なにを書けば良いのか、まったく思い浮かばない」ということが多いように感じます。そんな方に私が必ず申し上げるのは、まず、患者さんをよく見てくださいということです。患者さんをよく見るとは、患者さんに関心を寄せるということです。ただ、ボーッと眺めていればよいわけではありません。
 単に「薬歴にうまく書けない」のではなく、そもそも、患者さんの様子、患者さんの気持ちの変化、患者さんの薬識などに意識が行っていないのだと思います。患者さんに関心を寄せて、まず自分自身が患者さんのことをしっかりと理解しましょう。「今この方は、こんなことで悩んでいる」ということがしっかり理解できれば、それを薬歴に書けばよいだけです。

患者さんの情報だけでなく、どう思ったかのメモを取る

 もう一つ気になるのは、どんなメモを取っているのかということです。メモの取り方にも工夫が必要です。うまく薬歴が書けないとおっしゃる薬剤師さんは、例えば、副作用の有無とか、他剤服用の有無といった患者さんの情報しかメモしていないことが多いようです。それも大事なのですが、自分自身が目の前の患者さんのどこに着目して、どんな指導をしたのか、なぜその指導をした方が良いと思ったのか、それを簡潔にメモする習慣をつけましょう。そうすればきっと、薬歴を書くときに「書くことが思い浮かばない」ということはなくなると思います。

 メモを取っておきたいことは以下のとおりです。

  1. 自分がどんな指導をしたのか
  2. なぜその指導をした方が良いと思ったのか
  3. 指導した方が良いと思った根拠となる事実・現状

 後で自分がわかれば良いので、それぞれ簡潔に記してください。内容が思い出せるなら、単語一つでも構いません。この点を意識するだけで、薬歴はだいぶ変わってくると思います。

解決!

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岡村 祐聡
おかむら まさとし

有限会社服薬ケア研究所所長。明治薬科大学薬学部薬剤学科卒業。
都内調剤薬局や調剤薬局チェーンの教育担当管理職を経て、1997年に『服薬ケア研究所』を設立。
「服薬ケア」理論を各地で提唱し続け、全国各地で開催される研修会や服薬セミナーなどでも精力的な活動を行っている。 2002年には、服薬ケアを学ぶ全国の有志で設立された「服薬ケア研究会」から要請を受け、会頭に就任。最新著書は「10日間で極意をつかむ選ばれるかかりつけ薬剤師になる 患者応対技術と服薬ケアコミュニケーション」(診断と治療社)。書籍の詳細は服薬ケア研究所のホームページを参照。
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