エレンタールはどんな味?服薬指導で味の違いをうまく説明できるようにしよう
2022年の後半は色々な栄養剤の味見を行ってきました。ラコール・エンシュアH・エネーボなどの栄養剤は、甘みが強いものが多く、個人の好みはあると思いますが全く飲めないという製品は少なかったと記憶しています。(それでも外来では飲めないという患者さんがいらっしゃいますが…)
今回は大切に取っておいたエレンタール。エレンタールといえば他の栄養剤と色々と違う点が多い気がしますが、そんなエレンタールの味見を行いたいと思います。
エレンタールのイメージと添付文書情報
みなさんはエレンタールってどんなイメージがありますか?
個人的なイメージとしては…
1 | 栄養剤は液体タイプが多いが、エレンタールは粉末タイプの栄養剤で袋入り・プラスチック 容器入りの2種類がある |
2 | 粉末だからこそ濃度調整が可能 |
3 | フレーバーがあり、好みに合わせて味を選択できる(合計10種類ある) |
4 | 他の栄養剤と比べると勤務している薬局では処方される頻度が低い(気がする) |
他の栄養剤と比べて処方頻度が低い点が気になったので添付文書を見てみると、他の栄養剤(ラコールNF配合経腸用液、エンシュアリキッド、エンシュアH、エネーボ配合経腸用液)の”効能又は効果”には「一般に、手術後患者の栄養保持に用いることができるが、特に長期にわたり、経口的食事摂取が困難な…」と記載があります。
一方、エレンタールの添付文書には以下のように記載されています。
本剤は、消化をほとんど必要としない成分で構成されたきわめて低残渣性・易吸収性の経腸的高カロリー栄養剤でエレメンタルダイエット又は成分栄養と呼ばれる。一般に、手術前・後の患者に対し、未消化態蛋白を含む経管栄養剤による栄養管理が困難な時用いることができるが、とくに下記の場合に使用する。
1 | 未消化態蛋白を含む経管栄養剤の適応困難時の術後栄養管理 |
2 | 腸内の清浄化を要する疾患の栄養管理 |
3 | 術直後の栄養管理 |
4 | 消化管異常病態下の栄養管理(縫合不全、短腸症候群、各種消化管瘻等) |
5 | 消化管特殊疾患時の栄養管理(クローン氏病、潰瘍性大腸炎、消化不全症候群、 膵疾患、蛋白漏出性腸症等) |
6 | 高カロリー輸液の適応が困難となった時の栄養管理(広範囲熱傷等) |
エレンタールは他の栄養剤とは異なり”経口的食事摂取が困難”だからという理由では使えないようです。
(勤務する薬局の近くでは消化器内科などの専門専クリニック・専門医が少ないため、消化管特殊疾患の患者さんが少なくエレンタールの処方も少ないのかもしれません)
【参考】
栄養剤 | 使用方法 |
ラコールNF配合経腸用液 | 一般に、手術後患者の栄養保持に用いることができるが、特に長期にわたり、 経口的食事摂取が困難な場合の経管栄養補給に使用する。 |
エンシュア | 一般に、手術後患者の栄養保持に用いることができるが、特に長期にわたり、 経口的食事摂取が困難な場合の経管栄養補給に使用する。 |
エンシュアH | 一般に、手術後患者の栄養保持に用いることができるが、特に長期にわたり、 経口的食事摂取が困難で、単位量当たり高カロリー(1.5kcal/mL)の経腸栄養剤 を必要とする下記の患者の経管栄養補給に使用する。 ◯ 水分の摂取制限が必要な患者(心不全や腎不全を合併している患者など) ◯ 安静時エネルギー消費量が亢進している患者(熱傷患者、感染症を合併して いる患者など) ◯ 経腸栄養剤の投与容量を減らしたい患者(容量依存性の腹部膨満感を訴える 患者など) ◯ 経腸栄養剤の投与時間の短縮が望ましい患者(口腔外科や耳鼻科の術後 患者など) |
エネーボ配合経腸用液 | 一般に、手術後患者の栄養保持に用いることができるが、特に長期にわたり、 経口的食事摂取が困難な場合の経管栄養補給に使用する。 |
他の栄養剤とは少し違う印象のエレンタール。実際に味見をしてみましょう!