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ベンゼン三兄弟がレポート!薬剤師実態調査

更新日: 2020年11月30日 薬剤師コラム編集部

「マイナンバーカード」患者に傷病名も公開すべき?

「マイナンバーカード」患者に傷病名も公開すべき?のメイン画像

調剤室で生まれた「ベン」「ゼン」「カン」の三兄弟。薬剤師がイキイキと働けるようにお手伝いをしたい!と奮闘するベンゼン三兄弟が、薬剤師に聞いた実態調査をレポートします。

厚生労働省は2020年10月21日、マイナンバーカードを活用した医療機関への情報提供について、「患者側が提供情報を選別することはできず、見せたくないものがあれば全て見せない、オールオアナッシングの形になる」と説明。また、マイナポータル等で患者本人が確認できる保健医療情報は、傷病名や転帰などは明細書に記載されていないことから、傷病名の患者公開の是非が議論になりました。
(『マイナンバー活用の情報提供はオールオアナッシング』参照)。
m3.com薬剤師会員へ、マイナポータル等のシステム上で、患者に傷病名を公開すべきだと思いますか?と質問したところ、「特定の傷病名は公開すべきでない 」が36%と最も多く、「全て公開すべき」が30%、「全て公開すべきでない」が25%という結果に。また、医療機関への情報提供の際、その一部を公開したくない場合、提供する情報を患者が選択できる仕組みが必要だと思いますか?との質問には、「必要」49%、「不要」34%、「そもそも情報提供が不要」10%と意見が割れる結果になりました。

Q:マイナポータル等のシステム上で、患者に傷病名を公開すべきだと思いますか。

「マイナンバーカード」患者に傷病名も公開すべき?の画像1
「マイナンバーカード」患者に傷病名も公開すべき?の画像2

ベン:
公開については、薬剤師のなかでも意見が割れているようだね。

Q:医療機関への情報提供の際、例えば精神疾患などで薬剤情報や特定健診情報の一部を公開したくない場合を考慮し、提供する情報を患者が選択できる仕組みが必要だと思いますか。

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ゼン:
患者さんが選択できる仕組みにすべきか否かについても意見が割れてるぜ。次に先生たちの意見を見てみよう。

Q:マイナンバーカードを利用した医療機関への情報提供、および患者への傷病名公開の是非について、ご意見をお聞かせください。

患者の同意・選択制に

  • 短期間治療した過去の病名は必要ないと思う。長く治療している病気など治療に必要な病名のみで良いのではないか。精神科の薬は相互作用などあり情報提供は必要。患者の同意を得て選択できると良い。将来AIなど利用して診療に必要なことが情報提供されると良いと思う。

疑義照会がスムーズになる

  • 病名がわからないので疑義照会することも多い。病名かわかれば疑義照会いらなくなることも多い。病名は薬局へ全て開示してほしい。
  • 病名が不明な状態で処方された薬剤が、保険適応かどうか判断するのには限界がある。疑義に余計な手間がかかるのみ。また、複数科にわたり受診されている方の重複投与を避け、医療費を削減するためにも、診療・調剤にはもれなく病名開示・検査値開示は必要と思われる。

もっと慎重に

  • マイナンバーカードの使い方はまだ議論が始まったばかりだと思うので使用に当たっては慎重になるべきだ。
  • マイナンバーカードはそのような情報を提供するべきツールではないと思います
    もっと他の方法があると思います。

情報の一元化への懸念

  • マイナンバーカードのセキュリティが保証されていない現状で個人情報を入れていくことは危険だと思います。
  • 一元管理が行き過ぎると、情報漏洩範囲が広くなりすぎることがある。

保健医療の恩恵として

  • 保険医療を受ける以上、全てを医療従事者に公開するのは必然。
  • 透明性を確保することで、医療の制度が向上すると考えます。患者様への心情的な配慮と情報の取り扱いに十分注意したうえで、全て公開されることを望みます。
  • 今後、保険証と同じようにマイナンバーで受診が可能になったりオンライン診療になれば調剤時にも他科受診や入院歴、併用薬がわかる方が重複等を防げる。

情報開示・共有を

  • できる限り、健康情報や医療情報、介護情報を共有したほうが良い。情報は共有することで価値が高まると信じている。
  • マイナンバーカードで分かるようになれば、患者対応がスムーズになると思う。特に精神疾患は直接聞きにくいので記載されていた方が良い。(本当はその疾患でないのに薬を処方する為に病名をつける場合もあり、傷病名が全てではないとは思うが)
  • 適切な服薬管理のためには、情報共有は必須ではないかと思う。ただし、その情報を引き出すことが出来る医療機関を整理し、処方箋とマイナンバーカードを紐付け、かかりつけ薬剤師以外が見ることが出来ないようにするなどの検討は必要。
  • 医療機関への情報提供は診断、併用薬の確認、相互作用の確認の面でとても重要と考える。患者本人からの聞き取りでは曖昧な事やお薬手帳の持参がなかったり、しっかり貼付できていなかったりで適切な医療を提供できないからである。
  • 制度設計の大枠としては、こうあるべきという理想を前提に設計した方がいい。制度設計の前段階で個別事例に対応しすぎるとせっかくのシステムが骨抜きになってしまう。それが日本の将来にとって一番の損失であると思う。
まとめ
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ベン:
今回は、個人情報の取り扱いや医療制度の問題など、かなり難しい内容だったね。

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ゼン:
デリケートな問題だけど、患者さんの情報が共有されれば最適な医療が行えることも事実だぜ。

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カン:
個人情報の提供の有無については、今後も議論を重ねる必要がありそうね。

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ベンゼン三兄弟

ベン・ゼン・カンの三兄弟。調剤室で生まれ、日々がんばる薬剤師を見て育ってきた。薬剤師に元気を届けながら、自分たちもいつか薬剤師になる日を夢見ている。薬剤師がイキイキと働けるようにお手伝いをしたい!と奮闘中♪

ベン画像

《 ベン 》
正義感の強い三兄弟のリーダー。勉強熱心でいろいろなことに興味津々。
熱中するとまわりが見えなくなりがち。

ゼンの画像

《 ゼン 》
明るくてポジティブな三兄弟のムードメーカー。
調子にのりやすく失敗もするが、立ち直りも早い。

カンの画像

《 カン 》
優しくて気配りのできる三兄弟の癒やし系。控えめだけど実はしっかり者。
なぜかゼンへのツッコミは厳しい。

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「m3.com」薬剤師コラム編集部です。
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