一人薬剤師ってどうですか?
調剤室で生まれた「ベン」「ゼン」「カン」の三兄弟。薬剤師がイキイキと働けるようにお手伝いをしたい!と奮闘するベンゼン三兄弟が、薬剤師に聞いた実態調査をレポートします。
薬剤師が行っている業務として、調剤や監査、服薬指導、薬歴記入などがあり、業務は多岐にわたります。そのため通常は分担しての業務となりますが、店舗の運営状況によって一人薬剤師の体制をとっている店舗もあるのではないでしょうか。
そこでm3.com薬剤師会員の皆さんに、現在お勤めの薬局、医療機関での常勤薬剤師についてうかがったところ「4人以上」が最も多く40%、一人薬剤師の割合「1人(店舗にひとりだけ)」は9%という結果でした。また一人薬剤師のメリットに関する質問では「自分のペースややり方で仕事ができる」61%、「人間関係」60%、「年収が高い」17%となり、収入面でのメリットより働きやすい環境をメリットとして考えていることが分かりました。
一方でデメリットとして「有給休暇が取りにくい・休みにくい」81%、「調剤過誤のリスクが高い」69%と回答。一人薬剤師としての勤務はメリットとして自分のペースで仕事ができる反面、負担も多く休暇も取りづらいという現状が明らかとなっています。その他、一人薬剤師体制に関するご意見や実際に勤務経験のある方からの体験談をご紹介します。
Q1:現在、お勤めの薬局・医療機関での常勤薬剤師は何人ですか?
ベン:
一人薬剤師として勤務している方は少なかったね
Q2:一人薬剤師のメリットだと思うことをお選びください。(複数回答可)
ゼン:
人間関係の悩みは解消されそうだぜ
Q3:一人薬剤師のデメメリットだと思うことをお選びください。(複数回答可)
カン:
休暇が取りづらいのは心身ともに負担になるね
Q4:Q1で「1人」と回答された方にうかがいます。一人薬剤師のメリットとデメリット、どちらが多いと感じますか?
Q5:Q4と回答された理由をご記入ください。
メリットと感じること
- 学術とコミュ二ケーション能力を向上させる必要性が高く、緊張した毎日を送れる
- セルフ変形労働制で働くことができる
- 人間関係に左右されないので、一定のモチベーションで仕事ができる
- 常に考えながら仕事をし、効率を考えた上で患者さんのために行動できる。また人件費や諸経費等を逆算し、損益分岐点の計算ができるようになる
- 来局される全ての患者さんの情報を把握出来るので、電話問い合わせなど迅速に対応しやすい
デメリットと感じること
- 行動範囲が限られる。時間に余裕がない
- 何でも一人で仕事をする必要がありリスクが高くなる
- 精神的につらい
- 拘束時間が長い
- 外来業務と在宅業務の両立が難しい
- 強盗に入られたらどうするのでしょうか?
- ある程度経験もあり実力もあれば、薬局として成り立つが、そうでなければ無知故のミスも起こり得るし非常に怖い
- 慶弔があったときに休めないのはつらい
- 人間関係が楽とは回答したが、門前ドクターや薬剤師会との付き合いもあり事務さんとは結局気を使うので意味があんまりない。デメリットしかないと思う
- 欠品の対応をする際、他の患者を待たせてしまう。ゆっくりと患者さんの話を聞くことが出来ない。有給休暇がとれない
- 処方内容と処方箋枚数によるが、働き方改革を考えた個人の生活を考えるとデメリットが大きい
- キャパを超え投薬が作業になる。本来の薬局の役割が実施できない
一人薬剤師体制に対する意見
- 小規模薬局は、人手不足や効率を考えると統合したほうがよいと思う
- 一人薬剤師は管理薬剤師なので、補助業務の要員が必要
- 経営側としては少ないほうに合わせるので、集中時に気持ちの余裕をもって仕事ができる人は一人薬剤師をすればよい
- 一人薬剤師を認めず法律改正すべき。開業医では医師の指導下ではなく、看護師や事務員の調剤が実態
- 調剤過誤のリスク等責任の重さと収入のバランスが悪いと思う
- 病院の場合、病棟の服薬指導の加算をとるための施設基準に人員数があるため一人では算定できない。行うことで質を上げることは出来るはずだが、未算定で行うには時間が足りない+採算が合わないため出来ない
一人薬剤師で勤務した体験談
- トイレにいく暇もなく尿路結石で入院した
- 一人薬剤師は周りの刺激がないため、あまり自己研修しない人が多い
- 以前一人薬剤師の薬局に在籍していたが、有給や急な休みが取りにくい他は不便を感じることはなかった。やはり患者さんの協力と理解が不可欠だと思う。一人になると調剤や説明に時間を取りにくいため、結局は処方箋の枚数によると思う
- 調剤経験なく一人薬剤師を経験した。事務にはいびられ、上からもパワハラ。聞くあてもなくメンタル病んでやめた。半年我慢したが、もっと早く辞めたかった
- 最近では欠品に伴う在庫管理もあり、一人のキャパを超えている。疲労困憊もまして薬剤師としての寿命が縮まる気がしてならない
- 30分や1時間待ちが常態化しているのに事務員すら雇わないため、新患を中心に待ち時間での枚数ロスが発生し続けている。患者さんへの迷惑は会社の責任なので構わないが、完全一人薬剤師で業務過多のため自分の負担が大きい。誰も助けてくれない状態にストレスが多く、この給料で事務なしの一人薬剤師はありえない
- 休みが取れないのは当たり前、この当たり前を理解できる人でなければなれない
- 交通機関の乱れなども予測した上で旅行もプラン組む必要あるので行く回数が減った。旅行を組んで、いらない心配事を作りたくない
- 集中力が大事になる中で、暇そうなお客さんに話しかけられたり電話がきたりすると正直イライラすることもある
- やはり大変なので、いつまで続けられるかはわからない
- 人間関係はとても楽。自分だけが頑張ればいいので
- 特定の仕事を避けようとするずるい人を見なくていいのは精神的にも楽だし、自身が仕事に前向きになれるので重要な環境
ベン:
メリットやデメリットを聞くことができたね
ゼン:
一人の負担が大きいぜ
カン:
仕事と休暇のバランスも大切ね
ベンゼン三兄弟
ベン・ゼン・カンの三兄弟。調剤室で生まれ、日々がんばる薬剤師を見て育ってきた。薬剤師に元気を届けながら、自分たちもいつか薬剤師になる日を夢見ている。薬剤師がイキイキと働けるようにお手伝いをしたい!と奮闘中♪
《 ベン 》
正義感の強い三兄弟のリーダー。勉強熱心でいろいろなことに興味津々。
熱中するとまわりが見えなくなりがち。
《 ゼン 》
明るくてポジティブな三兄弟のムードメーカー。
調子にのりやすく失敗もするが、立ち直りも早い。
《 カン 》
優しくて気配りのできる三兄弟の癒やし系。控えめだけど実はしっかり者。
なぜかゼンへのツッコミは厳しい。
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