【2026年度改定版】服薬情報等提供料2の算定要件をわかりやすく解説
薬局が地域と連携していくなかで、専門性を活かした積極的な情報提供への期待が寄せられています。特に服薬情報等提供料2は、薬剤師による主的な取り組みが評価される項目であり、算定も目指しやすいでしょう。
本記事では服薬情報等提供料2の算定要件やイ・ロ・ハの3区分の違い、注意点についてわかりやすく解説します。
服薬情報等提供料2とは
服薬情報等提供料2とは、薬剤師が患者の服薬状況等を薬学的に分析し、薬学的管理に必要な情報を、患者や家族等の同意を得た上で医療機関または介護支援専門員へ提供した場合に算定できる薬学管理料です。
服薬情報等提供料には1・2・3の3種類があり、それぞれ以下のとおり目的や提出先が異なります。
| 服薬情報等提供料1 | 医療機関からの依頼に基づく情報提供 |
| 服薬情報等提供料2 | 薬剤師の判断で必要とされた情報提供 |
| 服薬情報等提供料3 |
患者が入院予定の医療機関やその他受診中の他の医療 機関からの依頼に基づく情報提供 |
服薬情報等提供料1・3は医療機関からの求めを受けて情報提供をおこなうのに対し、服薬情報等提供料2は薬剤師の判断で自主的に実施した場合に算定が可能です。
ただし、いずれの場合も「トレーシングレポート」とよばれる情報提供書を使用する点は共通しています。
参照:調剤報酬点数表に関する事項 /厚生労働省
トレーシングレポートとは
トレーシングレポートとは、薬局の薬剤師が患者の服薬状況や副作用の有無、残薬の状況、アドヒアランスなどを確認し、その情報を処方医にフィードバックする報告書のことです。
患者の服薬状況を医師と共有し、薬物治療をより効果的に安全に行っていくために活用されます。
疑義照会をするほどの緊急性を要する内容ではないものの、医師と共有する必要がある情報については積極的にトレーシングレポートを利用していくと良いでしょう。
服薬情報等提供料2の算定要件
服薬情報等提供料2は、薬剤師が患者の服薬状況等について薬学的な分析に基づき、患者の薬学的管理に必要な情報を文書等により提供した場合に算定します。
服薬情報等提供料2の主な算定要件
| 算定点数 | 20点 |
| 算定上限回数 | 医師/歯科医師、介護支援専門員ごとに月1回まで |
| 患者または家族の同意 | 必要 |
| 医療機関の求め | 不要 (薬剤師によって必要と認めた場合に実施可能) |
| 情報提供先 | イ 保険医療機関 ロ リフィル処方箋の処方医 ハ 介護支援専門員 |
| 情報提供方法 | 文書 |
参照:別表第三 調剤報酬点数表 /厚生労働省
服薬情報等提供料2の3つの区分の違いやポイントについて確認していきましょう。
(イ) 保険医療機関に必要な情報を文書により提供した場合
薬剤師が患者に関する情報提供をおこなう必要があると判断した場合、患者や家族等の同意を得た上で、処方箋を発行した医療機関に対して文書等により情報提供することで算定が可能です。
この区分の算定対象には、次のような場合が含まれます。
- 薬局において患者の服用薬の残薬、副作用の発現状況等を確認し、処方箋を発行した医療機関に対して情報提供を行った場合
- 現に歯科医療機関を受診している患者について、当該歯科医療機関に対して他の医療機関の処方に基づく当該患者の服用薬、服薬状況等の情報提供を行った場合
歯科受診中の患者が医療機関で処方されたビスホスホネート系薬剤を服用している場合、歯科への情報提供をしたことがあるるかもしれません。このようなケースでも、算定要件を満たしていれば服薬情報等提供料2の算定が可能です。
(ロ) リフィル処方箋に基づく調剤後、処方医に必要な情報を文書により提供した場合
薬剤師がリフィル処方箋に基づく調剤後、処方医に対して当該患者の服薬状況等について文書により提供した場合に算定が可能です。
リフィル処方箋とは、症状が安定している患者に対して、一定期間内に最大3回まで反復利用できる処方箋のことであり、医師の診察なしでも薬が受け取ることができます。
患者の通院における負担を減らすというメリットがある一方、医師による健康状態の確認頻度が少なくなり、症状の変化等の発見の遅れにつながる可能性があります。
そのため、受診がない期間の患者の服薬状況や健康状態について薬剤師が確認し、処方医に文書で情報提供を行うことは、患者の健康管理のために重要であるといえるでしょう。
リフィル処方箋についてさらに詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
(ハ) 介護支援専門員に必要な情報を文書により提供した場合
服薬情報等提供料2のハは、介護支援専門員が関与する要介護または要支援認定を受けた患者に関して、必要な情報を介護支援専門員へ提供した際に算定が可能な区分です。
なお、介護支援専門員からの情報提供の求めがあった場合であっても、薬剤師が情報提供の必要性を認めたうえで要件を満たせば算定することができます。
ただし、居宅療養管理指導を同一月に算定している場合は算定できないため、注意が必要です。
情報提供にあたっては、「多職種連携推進のための在宅患者訪問薬剤管理指導ガイド 」を参照し、別添の報告書様式や薬学的評価シートも参考に、患者の生活様式を踏まえた薬学的分析が求められています。
また、介護支援専門員に対するトレーシングレポートは、理解しやすい表現で作成するように心がけましょう。
参照:調剤報酬点数表に関する事項 /厚生労働省
参照:令和6年度診療報酬改定の概要【調剤】 /厚生労働省
情報提供書の書式と記載内容
情報提供には別紙様式1-1 もしくは別紙様式1-2 を使用しましょう。また、(イ)および(ハ)を算定する際には以下の内容を記載することとされています。
情報提供書への記載内容
ア 患者の服用薬及び服薬状況
イ 患者に対する服薬指導の要点
ウ 服薬期間中の患者の状態の変化等、自覚症状がある場合はその原因の可能性がある薬剤の推定
エ 当該患者が容易に又は継続的に服用できるための技術工夫等の調剤情報
※処方箋の記入上の疑義照会等では算定できない。
ウに関しては、患者の自覚症状が 薬剤の副作用によるものか否かに関する分析結果を踏まえて服薬指導し、当該分析及び指導の要点を情報提供することが重要です。患者の自覚症状の分析に当たっては、「重篤副作用疾患別対応マニュアル/厚生労働省 」等を参考とすることが望ましいとされています。
また、報告した内容は薬剤服用歴にも忘れずに記録を残すようにしましょう。
参照:調剤報酬点数表に関する事項 /厚生労働省
服薬情報等提供料2を算定する際の注意点
ここからは、服薬情報等提供料2を算定する際の注意点を確認していきましょう。
算定のタイミングと上限回数に関するルール
服薬情報等提供料2は、原則月1回に限り算定が可能であり、通常トレーシングレポートを提出した次回来局時に算定します。
ただし、上限回数に関しては以下のようなルールが設けられており、場合によっては月に複数回算定できるケースもありますので、確認しておきましょう。
算定上限回数のルール
- 患者1人につき同一月に2回以上服薬情報等の提供を行ったとしても、月1回のみの算定。
- 複数の保険医療機関の医師または歯科医師に対して服薬情報等の提供を行った場合は、医師または歯科医師ごとに月1回に限り算定可能。
- 処方箋を発行していない保険医療機関の医師または歯科医師に対して服薬情報等の提供を行った場合は、必要に応じて処方箋を発行した医療機関の医師又は歯科医師に対して同様の服薬情報等を提供することで、医師又は歯科医師ごとに月1回に限り算定が可能。
- 介護支援専門員へ情報提供した場合であって、処方箋を発行した医療機関の医師や歯科医師へ同様の情報提供をした場合には、服薬情報等提供料2を別に算定が可能。
参照:調剤報酬点数表に関する事項 /厚生労働省
残薬に係る情報提供について
残薬に係る情報提供に関しては、単に確認された残薬の状況を記載するだけではなく、その後の残薬が生じないために必要な内容を併せて記載するよう定められています。
また、情報提供後の当該患者の服薬状況を継続して把握しておくことが重要です。
服薬情報提供料が算定できない項目
以下の点数を算定している場合は、服薬情報等提供料2を算定することはできません。
- 特別調剤基本料A(当該保険薬局と不動産取引等その他特別な関係を有している保険医療機関へ情報提供を行った場合)
- 特別調剤基本料B
- 在宅患者訪問薬剤管理指導料
- 訪問薬剤管理医師同時指導料
- 居宅療養管理指導(同一月に算定している場合)
参照:調剤報酬点数表に関する事項 /厚生労働省
服薬情報等提供料1・3の違い
先ほどもお伝えしたとおり、服薬情報等提供料には1・2・3の3種類があり、目的や情報提供書の提出先などが異なります。
