【2026新設】かかりつけ薬剤師フォローアップ加算をわかりやすく解説
2026年度の調剤報酬改定では、かかりつけ薬剤師に対する評価体系が大きく変わりました。
そのうちの一つが、かかりつけ薬剤師による継続的な服薬指導や残薬対策を評価する、「かかりつけ薬剤師フォローアップ加算」の新設です。
本記事では、かかりつけ薬剤師フォローアップ加算の算定要件や対象患者、フォローの実施方法など、算定するうえで押さえておきたいポイントをわかりやすく解説します。
かかりつけ薬剤師フォローアップ加算(2026年新設)とは
かかりつけ薬剤師フォローアップ加算とは、かかりつけ薬剤師が電話等を用いて、患者の服薬状況や残薬状況を継続的に確認した場合に算定できる加算です。
従来の報酬算定において、かかりつけ薬剤師の取り組みは、かかりつけ薬剤師指導料やかかりつけ薬剤師包括管理料として包括的に評価されてきました。
しかし2026年度の調剤報酬改定ではこれらの算定項目が廃止され、残薬管理やフォローアップなど、実際の業務内容に応じた評価体系へと再編されています。
その一環として新設されたのが、「かかりつけ薬剤師フォローアップ加算」です。継続的な服薬管理に関する取り組みが、個別の項目として評価されるようになりました。
参照:令和8年度診療報酬改定の概要【調剤】 /厚生労働省
かかりつけ薬剤師フォローアップ加算の算定要件や点数
かかりつけ薬剤師フォローアップ加算の算定要件は以下の通りです。
| 算定要件 | かかりつけ薬剤師フォローアップ加算は、患者若しくはその家族等の求めに応じて又はかかりつけ薬剤師が必要性を認めた場合において、前回の調剤後から、当該患者が再度処方箋を持参するまでの間に、かかりつけ薬剤師が電話等により、服薬状況及び残薬状況等の継続的な確認並びに必要な指導等を個別に実施していた場合に算定する。 |
| 算定点数 | 3か月に1回に限り50点を算定 |
| 対象患者 | 以下のいずれの条件も満たす患者であること ア 服薬管理指導料「1のイ」又は「2のイ」を算定している※ イ 直近6か月以内に以下のいずれかを算定している ・外来服薬支援料1 ・服用薬剤調整支援料1もしくは2 ・調剤時残薬調整加算 ・薬学的有害事象等防止加算 (ただし、かかりつけ薬剤師フォローアップ加算に係る業務を行うことによって当該算定に係る問題(残薬等)が解消されている場合を除く。) |
※服薬管理指導料「1のイ」および「2のイ」は、いずれもかかりつけ薬剤師が算定する区分
参照:別表第三 調剤報酬点数表 /厚生労働省
参照:調剤報酬点数表に関する事項 /厚生労働省
かかりつけ薬剤師フォローアップ加算の算定ができないケース
かかりつけ薬剤師フォローアップ加算は、以下の4つのケースに該当する場合は、算定することができません。
1)同月内において、以下の項目を算定している場合
- 調剤後薬剤管理指導料
- 在宅患者訪問薬剤管理指導料
- 居宅療養管理指導費
- 介護予防居宅療養管理指導費
2)複数の保険薬局において服薬管理指導料「1のイ」または「2のイ」を算定していた場合 (いずれの保険薬局でもかかりつけ薬剤師フォローアップ加算の算定不可)
3)特別調剤基本料Bを算定している保険薬局
4)服薬管理指導料の特例を算定する場合
他の算定要件を満たしても、上記の項目を算定している場合は併算定不可となるため、注意が必要です。
参照:調剤報酬点数表に関する事項 /厚生労働省
かかりつけ薬剤師によるフォローアップ業務とは
かかりつけ薬剤師フォローアップ加算を算定するためには、定められた要件に基づき、フォローアップ業務を適切に実施する必要があります。
ここでは、算定にあたって押さえておきたいポイントを解説します。
フォローアップの実施方法
フォローアップを実施する際は、あらかじめ患者またはその家族等へ説明を行い、了承を得ることが必要です。具体的には、フォローアップで行う聞き取りや指導の内容、当該加算に伴う自己負担額について説明しておきます。
フォローアップの方法については、電話の他に情報通信機器を用いた方法も認められています。ただし、いずれの場合も双方向のコミュニケーションであることが前提です。
そのため、以下のような方法では、継続的な服薬指導を実施したとは認められません。
- 一律の内容の電子メールを一斉送信
- 画一的な内容の通知
- アプリケーション上で患者が定型的な設問に対するチェック又は入力を行うのみで完結する形式の対応
一方的に情報を発信するものではなく、患者ごとに服薬状況や副作用の有無などを個別に確認し、必要な指導や助言を行うことが求められます。
また、電話等によりフォローアップした旨および日時、実施した聞き取りや指導内容等は薬剤服用歴に記載する必要があります。
参照:調剤報酬点数表に関する事項 /厚生労働省
フォローアップを実施するタイミング
フォローアップを実施するタイミングは、「前回の調剤後から、当該患者が再度処方箋を持参するまでの間」とされています。
ただし、「前回の調剤後」に調剤した当日は含まれません。
受診・調剤の間隔等を考慮して薬学的観点から適切と考えられる時期にフォローアップを行う必要があります。
また、「再度処方箋を持参するまでの間」についても、処方箋を持参する当日は含まれません。
なお、フォローアップを実施する要因となった処方箋を発行した医療機関以外からの処方箋を持参した場合は、この期間には含まれない点もポイントです。
参照:調剤報酬点数表に関する事項 /厚生労働省
フォローアップ実施後についての留意点
電話等により患者の服薬状況等の確認を行った結果、体調の変化など速やかに保険医療機関に伝達すべき情報を入手することもあるでしょう。
そのような場合は、当該医療機関へ情報提供するとともに、必要に応じて受診勧奨を行うことも重要です。
フォローアップ業務を実施したにもかかわらず、残薬等の問題が解消されない場合は、漫然と同じような対応を繰り返すのではなく、解消されなかった理由や背景等を検証し、改善策を講じる必要があります。
また、検証内容および改善策については薬剤服用歴に記載します。
参照:調剤報酬点数表に関する事項 /厚生労働省
レセプト摘要欄への記載事項
かかりつけ薬剤師フォローアップ加算を算定する際は、「電話等により、服薬状況、残薬状況等の継続的な確認及び必要な指導等を個別に実施した年月日」をレセプト摘要欄に記載する必要があります。
| レセプト電算処理 システム用コード |
左記コードによるレセプト表示文言 |
| 850100602 | フォローアップ年月日(かかりつけ薬剤師フォローアップ加算);(元号)yy “年”mm“月”dd“日” |
参照:「診療報酬請求書等の記載要領等について」等の一部改正について 保医発0327第2号 令和8年3月27日 /厚生労働省
かかりつけ薬剤師が算定する項目と2026年度の変更点
2026年度の調剤報酬改定では、かかりつけ薬剤師に関する評価体系が大きく見直されました。
主な変更点の一つが、かかりつけ薬剤師指導料(76点)とかかりつけ薬剤師包括管理料(291点)の廃止です。
