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調剤報酬改定の算定項目をわかりやすく解説

更新日: 2026年8月7日 薬剤師コラム編集部

【2026新設】地域支援・医薬品供給対応体制加算(入院初日)の算定要件を解説

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近年、医療機関では後発医薬品の供給不安などへの対応が求められ、医薬品の安定供給に向けた業務負担が増加しています。2026年(令和8年)度診療報酬改定では、こうした体制整備を行う病院や有床診療所を評価する「地域支援・医薬品供給対応体制加算」が新設されました。

本記事では、本加算が新設された背景や算定要件、施設基準についてわかりやすく解説します。

地域支援・医薬品供給対応体制加算(入院初日)とは

地域支援・医薬品供給対応体制加算とは、医薬品の安定供給に資する体制を整備している保険医療機関を評価する診療報酬です。
算定するには、後発医薬品の使用促進に向けた調剤体制に加え、医薬品の供給不足が生じた場合にも適切に対応できる体制などを整備していることが求められます。

定められた施設基準を満たす病院や有床診療所において、患者が入院した初日に算定可能な項目として、2026年(令和8年)度の診療報酬改定で新設されました。

参照:令和8年度診療報酬改定について 【医科全体版】 /厚生労働省

2026年(令和8年)度の診療報酬改定で新設された背景

地域支援・医薬品供給対応体制加算は、従来の「後発医薬品使用体制加算」を廃止・再編する形で新設された項目です。

近年、後発医薬品の使用は定着しつつある一方で、後発医薬品を中心とした供給不安が医療現場における課題となっています。そのため、医療機関では代替薬の選定や処方変更、患者への説明など、追加的な業務が増加しています。

こうした状況を踏まえ、2026年(令和8年)度診療報酬改定では、「後発医薬品使用体制加算」で評価されていた後発医薬品の使用促進に加え、医薬品の安定供給に資する体制を有する医療機関を評価する仕組みへと見直されました。

改定前(2024年度) 改定後(2026年度)
後発医薬品使用体制加算1 87点
後発医薬品使用体制加算2 82点
後発医薬品使用体制加算3 77点
地域支援・医薬品供給対応体制加算1 87点
地域支援・医薬品供給対応体制加算2 82点
地域支援・医薬品供給対応体制加算3 77点

名称は変更され新たな評価項目となりましたが、算定点数は後発医薬品使用体制加算と同様です
施設基準は従来の内容を引き継ぎつつ、医薬品の安定供給に関する要件が追加されています。具体的な施設基準については、後ほど詳しく解説します。

参照:令和8年度診療報酬改定について 【医科全体版】 /厚生労働省

なお、保険薬局で算定する調剤報酬においても、2026年(令和8年)度の改定で「地域支援・医薬品供給対応体制加算」が新設されています。医療機関で算定するものとは算定要件が異なるため、区別して理解する必要があります。

調剤報酬における算定要件については、以下の記事を参考にしてください。

地域支援・医薬品供給対応体制加算(入院初日)の算定要件

地域支援・医薬品供給対応体制加算は、厚生労働大臣が定める施設基準を満たし、地方厚生局長等へ届出を行った病院や有床診療所において、対象となる入院基本料または特定入院料を算定している患者に対し、入院初日に限り加算できます。

本加算を算定するには、後発医薬品の品質や安全性、安定供給体制等の情報を収集・評価したうえで採用を決定し、一定割合以上の後発医薬品を調剤する体制を整備することが求められます。

加えて、医薬品の流通改善に向けて、医薬品の安定供給に資する取り組みの実施も必要です。

参照:別表第一 医科診療報酬点数表 /厚生労働省
参照:別添1 医科診療報酬点数表に関する事項 /厚生労働省

「地域支援・外来医薬品供給対応体制加算」との違い

2026年(令和8年)度診療報酬改定では、「地域支援・医薬品供給対応体制加算」のほかに、「地域支援・外来医薬品供給対応体制加算」も新設されています。こちらは、「外来後発医薬品使用体制加算」の廃止に伴い創設された項目です。

いずれの加算も医薬品の安定供給への取り組みを評価する点では共通していますが、算定点数や算定施設などに違いがあります。

区分 点数・算定タイミング 算定施設
地域支援・医薬品供給対応体制加算1
地域支援・医薬品供給対応体制加算2
地域支援・医薬品供給対応体制加算3
87点(入院初日)
82点(入院初日)
77点(入院初日)
病院・有床
診療所
地域支援・外来医薬品供給対応体制加算1
地域支援・外来医薬品供給対応体制加算2
地域支援・外来医薬品供給対応体制加算3
8点(1処方につき)
7点(1処方につき)
5点(1処方につき)
診療所

参照:令和8年度診療報酬改定について 【医科全体版】 /厚生労働省

地域支援・外来医薬品供給対応体制加算についても、従来の外来後発医薬品使用体制加算から算定点数に変更はありません
地域支援・医薬品供給対応体制加算と同様に、施設基準には医薬品の安定供給に関する項目が追加されており、算定にあたっては新たな基準の確認が必要です。

地域支援・医薬品供給対応体制加算(入院初日)の施設基準

2026年(令和8年)度の診療報酬改定では、旧・後発医薬品使用体制加算の施設基準を引き継ぎつつ、医薬品の安定供給体制に関する項目が追加されました。

【旧・後発医薬品使用体制加算から引き継がれた項目】

(1)病院や有床診療所において、薬剤部門または薬剤師が後発医薬品の品質、安全性、安定供給体制等の情報を収集・ 評価し、その結果を踏まえ薬事委員会等で後発医薬品の採用を決定する体制が整備されていること。

(2)医療機関において調剤した後発医薬品のある先発医薬品及び後発医薬品について、 当該薬剤を合算した使用薬剤の薬価(薬価基準)(平成20年厚生労働省告示第60号)別表 に規定する規格単位ごとに数えた数量(以下「規格単位数量」という。)に占める後発医薬 品の規格単位数量の割合が、以下の基準を満たしていること。

  • 地域支援・医薬品供給対応体制加算1:90%以上
  • 地域支援・医薬品供給対応体制加算2:85%以上 90%未満
  • 地域支援・医薬品供給対応体制加算3:75%以上 85%未満

(3)入院および外来において後発医薬品の使用に積極的に取り組んでいる旨を、入院受付や外来受付、支払窓口の見やすい場所に掲示している こと。

(4)医薬品の供給が不足した場合に、医薬品の処方等の変更等に関して適切な対応ができる体制が整備されていること。

(5)(4)の体制に関する事項ならびに医薬品の供給状況によって投与する薬剤が変更となる可能性があること、さらに変更する場合には患者に十分に説明することについて、医療機関の見やすい場所に掲示していること。

(6)(3)及び(5)の掲示事項について、原則として、ウェブサイトに掲載していること。自ら管理するホームページ等を有しない場合については、この限りではないこと。

後発医薬品の規格単位数量の割合を計算するにあたっては、「「新指標の割合の算出に当たって対象となる後発医薬品」等について」 (令和8年3月5日保医発0305第12号)を参照することとされています。

なお、旧・後発医薬品使用体制加算では、カットオフ値(50%以上)に関する施設基準が設けられていましたが、2026年(令和8年)度の改定では削除されています

以下の項目は、2026年(令和8年)度の診療報酬改定で新たに設けられた「医薬品の安定供給体制」に関する施設基準です。

【2026年度に追加された「医薬品の安定供給体制」に関する項目】

(7)個々の医薬品の価値及び流通コストを無視した値引き交渉を慎むこと。また、原則として全ての品目について単品単価交渉とすること。

(8)医薬品の流通の効率化および安定供給の確保のため、卸売販売業者への頻回配送、休日夜間 配送及び急配に係る過度な依頼を慎むこと。

(9)厳格な温度管理を要する医薬品および在庫調整を目的とした医薬品等については卸売販売業者への返品を慎むこと。

(10)平時から地域の保険医療機関、保険薬局及び医療関係団体と連携し、取り扱う医薬品の品目について情報共有や事前の合意等に取り組むことが望ましい。

(1)〜(10)の施設基準に適合する場合は、別添7の様式40の3 を用いて地方厚生局長等に届出を行います。

参照:基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(令和8年3月5日保医発0305第7号) /厚生労働省

2026年(令和8年)度に追加された施設基準のポイント

ここからは、2026年度診療報酬改定で追加された施設基準のうち、特に注目すべきポイントである「単品単価交渉」と「地域フォーミュラリ」について解説します。

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薬剤師コラム編集部

「m3.com」薬剤師コラム編集部です。
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