「ビソプロロールとカルベジロールの使い分け」について専門医が回答
処方箋や投薬に関する薬剤師の疑問のうち、疑義照会で解決しづらいものについて、m3.com医師会員<エキスパート>からの回答を掲載します。
Q. ビソプロロールとカルベジロールの使い分け
ビソプロロールとカルベジロールについて、実臨床でどのように使い分けをされていらっしゃいますか。ご教示いただけると幸いです。
パパ薬剤師/30代/病院・診療所勤務
10名の「循環器内科」「内科」医師の回答を紹介します。
医師回答のまとめ
血圧や心拍数、併存疾患、忍容性などに応じて使い分けます。ビソプロロールはβ1選択性が高く、頻脈や心房細動の心拍数コントロールを重視する場合などに選択されます。一方、カルベジロールはα1遮断作用による血管拡張作用もあり、血圧が比較的高い心不全症例などで選択されます。
屋宜 宣仁先生の回答
ビソプロロールはβ1選択性が高く、心臓のβ1受容体を特異的に遮断するため、強力な心拍数低下作用と安定した抗アドレナリン効果を発揮します。気管支平滑筋などのβ2受容体への影響は比較的少なく、代謝への影響も抑えられるのが特徴です。
カルベジロールはαβ受容体遮断作用による末梢血管拡張作用(後負荷軽減)を併せ持ちます。そのため、血圧低下作用が比較的しっかり出て、心筋酸素消費量の減少や末梢血管抵抗の改善が期待できます。また、肝代謝型であり腎機能障害例でも比較的使いやすい薬剤です。
実臨床においては、頻脈性心房細動のレートコントロールや脈が速めの高血圧、末梢動脈疾患合併例、あるいは代謝面(血糖変動など)への影響を最小限に抑えたい場合などにはビソプロロールが第一選択となりやすいです。1日1回投与によるアドヒアランスの良さも利点です。
一方、高血圧を伴う心不全(HFrEF)や急性心筋梗塞後の左室機能不全例などでは、血管拡張や後負荷軽減を期待してカルベジロールが選択肢となります。
また、腎機能低下例では、薬物蓄積のリスクを考慮し、肝代謝型のカルベジロールを選択する場合があります。
50代/地域医療支援病院/内科(循環器)
循環器内科先生の回答
いわゆるHFrEFはカルベジロールを基本としています。起立性低血圧のある症例やCOPD、気管支喘息のような呼吸器疾患合併はビソプロロールを用いることがあります。左室機能が改善後に、1日1回投与のビソプロロールに変更することもあります。不整脈に対して心拍数コントロールを重視する場合は、ビソプロロールを使用することが多いです。
30代/臨床研究中核病院/循環器内科