処方変更などで余った薬を返却し、返金を希望する患者さん
患者ケース41: 処方変更などで余った薬を返却し、返金を希望したいという患者さん
20代の女性患者さん。先日、薬局に来て、飲み残した薬を返却するから、薬代を返金してほしいと要求されました。そのときは、一度処方した薬は消費期限もあるし安全面からも再利用できない旨を伝えて帰っていただきました。この患者さん以外にも処方変更で余った薬を返却したいという患者さんは過去にもいました。薬の返却、買取を求める患者さんには、どのように対応すればいいでしょうか。
返却や買取について相談してくださる患者さんは、薬剤師を頼りにしてくれているとてもありがたい存在です。相談を受けたら、まず感謝の気持ちを伝えましょう。ただし、返却も買取も法律上できないことなので、はっきりと伝える必要があります。いきなり「返金はできません」と言いきってしまうのではなく、患者さんの気持ちに寄り添って、断りのクッション言葉から始めると、拒否・否定された印象がやわらぎます。さらに、今後の対応策を提案して、納得できない患者さんの気持ちの収まりどころを探します。「ご期待に添えず申し訳ありません」などと心の底からお詫びした上で、患者さんの気持ちになんとか応えたいという姿勢を見せましょう。
薬の返却、買取の相談をしてくれたことに対する感謝の気持ちを伝えましょう
残薬の取り扱いに悩んだり、何とか利用できないかと考えたりする患者さんは少なくないと思います。加えて、残薬確認による医療費削減効果の報道に触れる機会も増えていますので、返却・買取についての要望は今後も出てくるものと予想できます。
余った薬を自己判断で処分したり、家族や友人に横流ししたりせず、わざわざ薬局に足を運んで相談してくださる患者さんは、薬剤師を頼りにしてくれているとてもありがたい存在です。返却や買取について相談を受けたら、詳しい説明をする前に「ご相談ありがとうございます」「残薬をお持ちくださりありがとうございます」などと感謝の気持ちを伝えましょう。感謝の言葉=プラスの言葉から始めることで、この後の会話を進めやすくなる効果が期待できます。
できないことをはっきりさせて、今後の対応策を添えて伝える
薬の返却、買取は法律上できないことなので、はっきりと伝える必要があります。しかし、いきなり「飲み残した薬の買取はできません」と言いきってしまうのは考えもの。飲んでいない薬を引き取ってもらって、さらに買い取ってくれたらいいのに、という患者さんの気持ちをおもんばかって、…