「薬の飲み過ぎが怖い」と自分で服薬量を調整する患者さん
患者ケース43:「薬の飲み過ぎが怖い」と自分で服薬量を調整する患者さん
70代後半男性。持病があり長く通院している患者さん。服薬状況を聞くと「なんとなく調子が悪いときだけ飲んでる。だって薬の飲みすぎって怖いでしょ」とひと言。自己判断で薬を正しく服用しない患者さんに処方どおりに飲んでもらうにはどうしたらいいでしょう。また、外来患者さんのアドヒアランスに対し、薬剤師ができることはあるでしょうか?
患者さんが自己判断で服薬調節しているとわかった途端、「きちんと飲まないと症状が改善しませんよ」などと言ってしまうと、患者さんは責められた、非難されたと感じて心を閉ざしてしまうかもしれません。患者さんの気持ちにとことん寄り添い、共感することから始めましょう。服用を促す前に、薬を飲みたくない理由やなぜ自分で調節しているのかなどを丁寧に聞き出すことが肝心です。ヒアリング時は復唱を有効に活用して、急がず焦らず信頼関係づくりに努めます。患者さんの心を動かしたいと思ったら、どんな話題でも対話を積み重ねて、患者さんを理解しようと努力していくことが、前向きな考え方に変えるきっかけになります。