疑義照会しがちな薬剤はどれだ?いちばん多かったのは「アレ」でした
薬剤師2400名が回答した疑義照会に関するアンケートを計3回のシリーズで紹介します。
疑義を発見するタイミングは、処方箋の内容だけでなく、患者さん・家族への服薬指導時や薬歴、お薬手帳から分かる場合もあります。
そこで第2回目は、アンケートに寄せられた疑義照会の事例から、照会頻度が高い薬と健康被害が起こる可能性が高いと感じた事例を具体的にお伝えします。
Q1.処方箋をそのまま調剤した場合、患者に健康被害が起こるような内容もありましたか。
約半数が「健康被害の可能性を感じたことがある」と答えています。薬剤師さんの重責が感じられる回答結果となりました。
Q2.健康被害の可能性を感じる処方はどのようなものですか?
最も多かった回答は、「用法・用量、分量、投与日数が不適当な処方」で66.3%。
これに関連して、フリー回答で以下のようなコメントが寄せられました。
次いで多かったのは「患者の疾患や病態に対する禁忌薬剤や慎重投与の薬剤の処方」で41.2%。
Q3.疑義照会をすることが多い薬剤はなに?
フリー回答で募ったところ、もっとも多かったのは「外用薬」。「外用薬に使用部位・使用回数の記載がない」とのコメントも。
次いで多かったのは「漢方薬」。「漢方製剤の食後投与。空腹時服用を知らない医師が多く、ただその中にもあえて食後にしていることもある。件数多く問い合わせすることにストレスを感じている」とのことです。
「抗アレルギー薬」も疑義照会することの多い薬剤として挙げられました。
「用法用量が年齢で決められているものもあれば体重で計算するものもあるため、医師の処方量が適切なものではない場合が多い」
ほかにも、「併用禁忌や薬剤の重複について疑義照会することが多い」との意見も多数。コメントの一部を抜粋して紹介します。
さらに、腎機能低下の患者さんへの用量調整で疑義照会をするシチュエーションも多いようです。
薬剤に対する形式的な疑義、他の医療機関の処方との重複や併用注意、腎機能低下の患者に対する投与量などの疑義照会に加え、医薬品の出荷調整の影響により負担増。さらにジェネリック医薬品が不足し患者に行き渡らない影響が漢方薬にも及び、益々ストレスを感じている様子がうかがえました。
事例に挙がっている薬剤や事例については、参考までにチェックしておきたいものですね。