1. 薬剤師トップ
  2. 薬剤師コラム・特集
  3. 疑義照会が、ストレスです。薬剤師2,400人のアンケート結果を発表!
  4. 疑義照会しがちな薬剤はどれだ?いちばん多かったのは「アレ」でした

疑義照会が、ストレスです。薬剤師2,400人のアンケート結果を発表!

更新日: 2023年11月3日 薬剤師コラム編集部

疑義照会しがちな薬剤はどれだ?いちばん多かったのは「アレ」でした

疑義照会しがちな薬剤はどれだ?いちばん多かったのは「アレ」でしたメインの画像1

薬剤師2400名が回答した疑義照会に関するアンケートを計3回のシリーズで紹介します。

疑義を発見するタイミングは、処方箋の内容だけでなく、患者さん・家族への服薬指導時や薬歴、お薬手帳から分かる場合もあります。
そこで第2回目は、アンケートに寄せられた疑義照会の事例から、照会頻度が高い薬と健康被害が起こる可能性が高いと感じた事例を具体的にお伝えします。

Q1.処方箋をそのまま調剤した場合、患者に健康被害が起こるような内容もありましたか。

疑義照会が、ストレスです。薬剤師2,400人のアンケート結果を発表!の画像2

約半数が「健康被害の可能性を感じたことがある」と答えています。薬剤師さんの重責が感じられる回答結果となりました。

Q2.健康被害の可能性を感じる処方はどのようなものですか?

疑義照会が、ストレスです。薬剤師2,400人のアンケート結果を発表!の画像3

最も多かった回答は、「用法・用量、分量、投与日数が不適当な処方」で66.3%。

これに関連して、フリー回答で以下のようなコメントが寄せられました。

疑義照会が、ストレスです。薬剤師2,400人のアンケート結果を発表!の画像4

3歳児にホクナリンテープ2㎎の処方

疑義照会が、ストレスです。薬剤師2,400人のアンケート結果を発表!の画像5

アイミクスが半錠で処方されていた。半分にはできない製剤

疑義照会が、ストレスです。薬剤師2,400人のアンケート結果を発表!の画像6

HD時にVCMを透析回路に投与する際に、溶解する量が極端に少ない場合(1000mg対してNS50〜100mL)で、血管痛のリスクが想定されたこと。投与時間は、2hrではあるが、回路内で希釈されるというDrの解釈がありました

次いで多かったのは「患者の疾患や病態に対する禁忌薬剤や慎重投与の薬剤の処方」で41.2%。

疑義照会が、ストレスです。薬剤師2,400人のアンケート結果を発表!の画像7

授乳中(乳児は2歳)で断乳が困難にも関わらず、リンコデが処方。疑義照会するも、「もう母乳はほぼでていないでしょう」と、処方変更がなかった

疑義照会が、ストレスです。薬剤師2,400人のアンケート結果を発表!の画像8

患者さまは腹痛を医師にも薬剤師にも訴えているのにロキソプロフェン錠が処方された。それも2回続けて。初診時のロキソプロフェン錠処方は百歩譲って仕方ないが、症状改善なしで再診してのロキソプロフェン錠はさすがに…であった。1回目は疑義照会も処方変更なし。2回目も同様。2回目の疑義照会回答後、患者さまには他院受診するようお伝えした

疑義照会が、ストレスです。薬剤師2,400人のアンケート結果を発表!の画像9

リウマチの患者にサラゾスルファピリジン錠が出ており、サラゾスルファピリジン腸溶錠の誤りではないかと疑義紹介。適応が腸溶錠と錠剤で異なることも再三お伝えしたが、結局変更してもらえず

Q3.疑義照会をすることが多い薬剤はなに?

フリー回答で募ったところ、もっとも多かったのは「外用薬」「外用薬に使用部位・使用回数の記載がない」とのコメントも。

次いで多かったのは「漢方薬」「漢方製剤の食後投与。空腹時服用を知らない医師が多く、ただその中にもあえて食後にしていることもある。件数多く問い合わせすることにストレスを感じている」とのことです。

「抗アレルギー薬」も疑義照会することの多い薬剤として挙げられました。
「用法用量が年齢で決められているものもあれば体重で計算するものもあるため、医師の処方量が適切なものではない場合が多い」

ほかにも、「併用禁忌や薬剤の重複について疑義照会することが多い」との意見も多数。コメントの一部を抜粋して紹介します。

疑義照会が、ストレスです。薬剤師2,400人のアンケート結果を発表!の画像10

胃薬系重複。他科からの胃粘膜修復重複や、PPIとH2ブロッカー

疑義照会が、ストレスです。薬剤師2,400人のアンケート結果を発表!の画像11

他の医療機関の処方との重複。PPI、抗アレルギー薬、睡眠薬が多い

疑義照会が、ストレスです。薬剤師2,400人のアンケート結果を発表!の画像12

セレギニンなど、併用禁忌が多い薬剤。ベタニス、テオドールなど、粉砕不可の薬剤

さらに、腎機能低下の患者さんへの用量調整で疑義照会をするシチュエーションも多いようです。

疑義照会が、ストレスです。薬剤師2,400人のアンケート結果を発表!の画像13

抗菌薬全般。腎機能低下患者への用量調節が十分に検討されていないことが多いため

疑義照会が、ストレスです。薬剤師2,400人のアンケート結果を発表!の画像14

レボフロキサシン。腎機能低下での用量調節

疑義照会が、ストレスです。薬剤師2,400人のアンケート結果を発表!の画像15

腎機能によって投与量が変わる薬剤について、添付文書にはないが、学会推奨の本には記載があるものが多い。例えば『ベクルリー点滴静注』です。eGFR又はCCr30程度に使用する場合

まとめ

薬剤に対する形式的な疑義、他の医療機関の処方との重複や併用注意、腎機能低下の患者に対する投与量などの疑義照会に加え、医薬品の出荷調整の影響により負担増。さらにジェネリック医薬品が不足し患者に行き渡らない影響が漢方薬にも及び、益々ストレスを感じている様子がうかがえました。

事例に挙がっている薬剤や事例については、参考までにチェックしておきたいものですね。

薬剤師掲示板で疑義照会エピソードを大募集!

薬剤師がストレスを感じている疑義照会。この方法で疑義照会がスムーズになった!という、成功体験談を大募集します(~2023年11月30日)。

エピソードが採用された方には、ポイントを進呈!さらに、あなたの成功ストーリーがマンガや記事になるかも⁉ 下記からぜひ、投稿ください。

例えば・・・
「電話だとそっけない医師に対して、照会内容を箇条書き&最重要要点に下線を引きてFAXを送ったら快く回答してくれた。」など。

※本企画は、利用規約の個別規定「Pharmacist Community」の適用となりますのでご確認ください。投稿は編集のうえマンガ・記事としてm3.com上に掲載したり、新規会員獲得のため広告に活用する場合があることにご同意いただいた上でご応募をお願いいたします。

すべてのコラムを読むにはm3.com に会員登録(無料)が必要です

こちらもおすすめ

薬剤師コラム編集部の画像

薬剤師コラム編集部

「m3.com」薬剤師コラム編集部です。
m3.com薬剤師会員への意識調査まとめや、日本・世界で活躍する薬剤師へのインタビュー、地域医療に取り組む医療機関紹介など、薬剤師の仕事やキャリアに役立つ情報をお届けしています。

疑義照会が、ストレスです。薬剤師2,400人のアンケート結果を発表!

アクセス数ランキング

新着一覧

26万人以上の薬剤師が登録する日本最大級の医療従事者専用サイト。会員登録は【無料】です。

薬剤師がm3.comに登録するメリットの画像

m3.com会員としてログインする

m3.comすべてのサービス・機能をご利用いただくには、m3.com会員登録が必要です。

注目のキーワード

禁忌 服薬指導 プロブレム 医療クイズ 副作用 SOAP 薬歴 ebm 感染症対策 薬剤師あるある