「3gが6gに!?」ワイドシリン規格変更のヒヤリハット回避術
「サワシリン」と「ワイドシリン」のヒヤリハット事例
| 対象の薬 | ワイドシリン細粒20%(日局アモキシシリン水和物200mg(力価)) |
|---|---|
| 医師の指示 | サワシリン細粒10%(日局アモキシシリン水和物100mg(力価)) |
「サワシリン」と「ワイドシリン」のヒヤリハット事例の詳細
小児の患者に「サワシリン細粒10%」1日6g1日3回毎食後が処方された。患者家族が後発医薬品を希望したため、入力者はレセプトコンピュータに「ワイドシリン細粒20%」1日3gと入力した。
調製者は調剤指示書を見て、取りそろえる薬剤をワイドシリン細粒に変更することを確認したが、含量規格が20%の製剤へ変更されていることに気付かず、ワイドシリン細粒20%を処方箋に記載された1日6gで秤量した。
鑑査者が、調製されたワイドシリン細粒20%の1日量の力価が処方量の2倍になっていることに気付き、調製者に再調製するよう伝えた。
薬剤師の対応
Point 1
小児の患者に「サワシリン細粒10%」が1日6g、1日3回毎食後と処方された。患者家族が後発医薬品を希望したため、入力者はレセプトコンピュータにワイドシリン細粒20%を1日3gと入力した。
Point 2
調製者は、調剤指示書を見て、取りそろえる薬剤を「ワイドシリン細粒」に変更することを確認したが、含量規格が20%の製剤へ変更されていることに気付かず、ワイドシリン細粒 20%を処方箋に記載された1日6gで秤量した。
Point 3
鑑査者が、調製されたワイドシリン細粒20% の1日量の力価が処方量の2倍になっていることに気付き、調製者に再調製するよう伝えた。
ヒヤリハットを防ぐ「サワシリン」と「ワイドシリン」の知識
「サワシリン細粒」も「ワイドシリン細粒」も、アモキシシリン水和物という有効成分を含むペニシリン系の抗生物質(抗菌薬)です。
ペニシリン系の抗生物質は、細菌の細胞壁の合成を阻害することで抗菌作用を示します。各々の有効成分含有量は、以下のとおりです。
【アモキシシリン水和物を含むペニシリン系の抗生物質の有効成分含有量】
| 販売名 | サワシリン細粒10% | ワイドシリン細粒10% | ワイドシリン細粒20% |
| 有効成分 (1g中) |
日局アモキシシリン 水和物100mg(力価) |
日局アモキシシリン 水和物100mg(力価) |
日局アモキシシリン 水和物200mg(力価) |
ワイドシリン細粒20%は、投与量のカサ高を10%細粒剤の1/2 に減じたものであり、服用しやすい細粒剤です。ワイドシリン細粒10%と20%では添加剤が異なり、色も10%がうすいだいだい色、20%が桃色となっています。
- サワシリン細粒10% 6g = 600mg(力価)
- ワイドシリン細粒20% 3g = 600mg(力価)
規格変更時はg数だけで判断せず、必ず力価(mg)換算で比較するようにしましょう。
薬剤師が解説。「規格が変われば秤量値も変わる原則を徹底しよう」
本事例は、含量規格の異なる製剤へ変更になった際に、秤量する量を間違え、鑑査者が気づき、再調製するよう伝えた例です。