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疾患別・感染症と抗菌薬の選び方

更新日: 2021年12月20日 柳瀬 昌樹

院内肺炎(HAP)総論とエンペリックテラピー1

院内肺炎(HAP)総論とエンペリックテラピー1のメイン画像1

今回は、難しい内容となりますが、どうしても論じないわけにいかない院内肺炎(HAP:Hospital-acquired pneumonia)についてまとめていきたいと思います。
院内肺炎とは、入院から48時間以降に新たに発症した肺炎と定義され、基礎疾患や免疫能の低下を持つ患者さんが多いことからも、治療が極めて困難になることが多くなる肺炎です。その中でも人工呼吸器関連肺炎(VAP:Ventilator-associated pneumonia)は、気管挿入後48時間以内に新たに発症した肺炎を示すが、よりシビアな抗菌薬選択が必要と言われています。
院内肺炎の治療の原則は、適切な抗菌薬の早期投与ですので、肺炎を疑った場合には、直ちに適切な培養検体(喀痰培養や血液培養など)を提出し、抗菌薬を十分量投与する必要があります。中でも喀痰培養のグラム染色にて起炎菌を推測できるかは必要に大切である一方、施設によって上記が施行できるかには差があると思います。グラム染色が可能だとしても、見える菌の多くが定着菌である可能性も高く、好中球貪食像の有無などを参考に起炎菌を絞っていく必要性が出てきます。

院内肺炎を疑い、グラム染色ができない場合のエンペリックテラピー

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柳瀬 昌樹
やなせ まさき

薬剤師。薬科大学を卒業後、現在に至るまで病院勤務を続け、糖尿病、感染症などの専門資格を取得。医師の先生方からの全面的ご協力の下、日々奮闘中。
主な取得資格:糖尿病療養指導士、糖尿病薬物療法認定薬剤師、抗菌化学療法認定薬剤師、日本病院薬剤師会病院薬学認定薬剤師、実務実習認定薬剤師
所属学会:日本糖尿病学会、日本くすりと糖尿病学会(認定薬剤師認定委員兼務)、日本化学療法学会、日本病院薬剤師会

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