蜂窩織炎(蜂巣炎)とその他鑑別診断
このあたりで感染症の世界でのcommon diseaseをまとめてみたいと思います。皮膚軟部組織感染症の代表であり、よく見る疾患である一方、鑑別診断が重要になるため、そこに注目してまとめていきましょう。
蜂窩織炎の主な原因は、小さな傷から皮膚常在菌であるS.aureusが入り込むことで、感染が成立すると浮腫性紅斑が出現し、局所熱感、圧痛、潮紅が広がっていきます。主にS.pyogenesが原因となる丹毒との鑑別が必要とされ、以下の通り鑑別を行います。通常の治療に反応を示さず、急速に拡大する場合、全身症状を伴う場合には、壊死性筋膜炎を考慮する必要があります。
蜂窩織炎と丹毒の主な違い
蜂窩織炎 | 丹毒 | |
---|---|---|
原因菌 | 主にS.aureus | β-溶血性Streptococcus |
病変部位 | 深在性 | 表在性 |
好発部位 | 四肢 | 顔面、頭部 |
リンパ管炎 | あり | なし |
境界 | 不鮮明 | 鮮明 |
皮疹 水疱 | なし | あり |
化膿 | あり | なし |
進行 | やや緩慢 | 急速 |
全身症状 | なし | あり(高熱、悪寒、戦慄) |