調剤薬局で働く 現役薬剤師のキクオ が、日々薬局で繰り広げられる薬剤師のリアルな日常をお届けします。
年収を2倍にした!キクオの転職方法を教えます
病院薬剤師から調剤薬局に転職を考えたキッカケ
私は薬学部を卒業し、新卒で大型の急性期病院に就職しました。薬剤師として、経験の幅が広がるだろうと考えて、病院を選択したのです。
また、病院薬剤師でも役職がつけば、調剤薬局やドラッグストアで働く薬剤師の年収よりも稼げるのでは!?と、密かに思いを巡らせて働いていました。
病院薬剤師の道を選ぶことになにも迷いはなかったです。ところが、ある時…。私は病院を辞めて、調剤薬局へと転職を決意します。
なぜなら働いてみて実感しました。やっぱり、お金って大切だったんです(泣)。
将来、自分が結婚し、子どものことを考えた際に頭をよぎるのは、教育費や生活費。さらに家を購入するなんてことになったら…ローンが肩にズシン!重すぎる~。
自分が自由に使えるお金が減ることに、「果たして耐えられるのか?オレ」と自問自答していました。
永遠に独身ならよかったのかもしれませんが、結婚を機に改めて人生を考えて、転職を決意したのです。
年収アップを目指すために転職経験者に話を聞いてまわった
初めての転職でしたが、誰を頼ればいいのか、どうやって次の職場を探せばよいのかなど、正直、右も左もわかりませんでした。
とりあえず動こうと考えて、私は「転職を経験した知人に話を聞く」ことを始めました。同じ病院で働いていた同期のうち何人かが調剤薬局に転職をしていたので、以下のようなことを中心に聞き取りをしてみたのです。
・どうやって今の職場を見つけたのか
・年収はどれくらいもらっているのか
・転職をしてよかったか
紹介会社を介して転職をしている友人もいれば、薬局経営者のツテで転職をした友人もいて、転職方法にもさまざまなルートがあることがわかってきました。
紹介会社の意見も参考に転職活動を!
私も、いくつか紹介会社に登録してみて、転職したら、年収アップを期待できる業種のヒントを教えてもらいました。
・バリバリと働いて稼ぎたいのであればドラッグストア
・病院から病院の転職でも年収アップは可能
・今の年収であれば調剤薬局に行けば確実に年収アップができる
私の場合、このようなアドバイスをもらえることが多かったです。最初に、「どのくらいの年収を希望しているのか」と聞かれ、「可能であれば年収700万以上希望」と希望を提示して相談をしていました。振り返ってみると、当時はいいたいことをいい、無理な要求をしていたかもしれません(笑)。
念願!ついに前職の2倍の年収を提示する職場を発見
私が見つけた職場は以下になります。
職種 | 年収 | 転職先の状況 |
---|---|---|
調剤薬局 | 700万円 | 薬剤師を至急探している |
転職活動を続けて、約3カ月が過ぎたころでした。転職が決まる半年以上前から今の職場を辞めたいと思っていたので、正直辛い時期でした(汗)。
この職場は、自分で見つけた求人でした。まずは、薬局見学に行って職場の雰囲気を確認し、今回薬剤師の募集をしている理由を聞いてみました。すると、「現職の薬剤師の退職が近いので、急いで次の薬剤師を探している」という話だったのです。
キクオはこの時、「チャンスかも」と考えました。
そして、2回ほど経営者との面談を経た後、ついに、年収交渉について、切り出しました。
年収交渉はどのように行われたのか?
キクオ | 「年収アップが今回転職をする1番の目的です。いくらになるでしょうか?」 |
---|---|
薬局 経営者 |
「うちの薬局としては、相場は600万ですね…」 |
キクオ | 「私としては年収800万円を提示していただきましたら、即決で転職をいたします」 |
薬局 経営者 |
「…それはできない。せめて650万円です」 |
キクオ | (すかさず) 「650万円ですと、ほかと検討することになります。700万円でお願いいたします。」 |
結果は…見事OK!!
年収交渉の勝負の日。お互いに余計な会話はしませんでした。相手は経営者です。人件費のウエイトは大きく、譲れないこともあるでしょう。
キクオが重視したポイントは
(1) 裁権がある相手に直接交渉をしたこと
(2) 転職先の求人理由を明確に理解すること
(3) 雇いたいと思ってもらえるよう、自身を知ってもらうこと
これらが、私が前職に比べて2倍の年収を勝ち取った秘訣だと思っています!
(1)(2)については先述の通りなので、(3)について詳しく紹介します。
転職はお互いに対等な立場でマッチングをするものだと考えて、いかにして今まで培ってきた自身の経験を売り込むかを考えました。
まず、転職先の求人理由や会社の抱える問題を理解すると、より相手が興味を持つ話ができます。
具体的にどんな薬剤師が欲しいのか、先方の本質的な悩みはなにか。そして、キクオが入社することで職場の問題点はどう改善をされるのか、という流れを整理して話す必要があります。
質問を入れることで、一方通行のコミュニケーションにならずに、会話することができます。
キクオが面接した職場は、前任者の退職という事情のほかに、若手で長期的に働いてくれる薬剤師を求めていました。また、各種書類の申請や、人事関連の仕事など代表が今負担に感じていることを聞きました。
ズバリ!キクオが実践した自身を売り込む方法
自身の経験が課題解決に役立ち、「経営を上向きに改善をすること」に貢献できる点を意識して会話を進めました。
具体的には、キクオが前職で医師や看護師といった他職種と連携して仕事をしてきたこと、薬剤師として取れる加算(病棟薬剤師業務実施加算)をアップさせた過程と実績を細かく説明していきました。薬局では必ずしも当てはまらない実績でも、過程を話すことで、薬局経営にプラスになる人材であることを伝えました。
自身を売り込む際に特に注意した点は、数字をもとに会話をしたことです。ただし、利益追求だけではなく、患者さんファーストで仕事を進めてきたことも、意識しながら話しました。
また、前職の愚痴は絶対に言わないように意識をしました。
このようなやり取りを経て、最終交渉の場面では、相手を不快にさせない程度に攻めの姿勢で挑みました。他に気になっていた職場を比較して、ストレートに年収をぶつけたのです。
年収を2倍にした背景は「情報収集を怠らなかったこと」が大きいです。薬剤師にかぎらず、転職で収入を上げるなら、職場に対してなにかバリュー(相対的な価値)を生み出す必要があると思います。そして、単に「年収を上げたい!」と伝えても、相手を不快にさせるだけです。この記事が年収をアップさせたい薬剤師の参考になればうれしく思います!それでは、また!