調剤薬局で働く 現役薬剤師のキクオ が、日々薬局で繰り広げられる薬剤師のリアルな日常をお届けします。
薬剤師になるにはいくらかかる?国立と私立の学費について
こんにちは!薬剤師ブロガーのキクオです!
いきなり質問です。「自分の子どもを薬剤師にさせたいですか?」
今回は、現場で働く親世代の薬剤師が将来、自分の子どもを薬学部に進学させたいのか?そして薬剤師になるためにかかる費用は?そんな疑問をまとめた記事になっています!早速いってみましょう!
薬剤師は自分の子どもを薬剤師にさせたいのか?
薬剤師になった皆さんは”両親が自分に対してどれだけ教育費を投資してくれたか”を一度は意識したことがあるでしょう。
いざ、自分に子どもができ、子どもに薬剤師をすすめるかどうかは、学費や奨学金というお金の面、そして、薬剤師の未来がどうなのかという心配がつきまといます。今回はキクオのTwitterで質問をしてみました。その結果がこちらです↓
回答者全員が本当に薬剤師かはわかりませんが、回答してくれた179名中、7名が将来「薬剤師になってほしい」と答えています。そして59名の薬剤師が「薬剤師になってほしくない」という結果になっています。意外にも自分の子どもに「薬剤師になってほしい」と思う方は少ない結果となりました。
もし子どもが薬学部を受験したい!と言ったら?薬学部の学費比較!
2020年7月から石原さとみさんが薬剤師の主人公を演じるドラマ「アンサング・シンデレラ」が放映されていますね。世間では薬剤師ブームが到来しているはずです! もしも、自分の子どもの夢が薬剤師だとしたら?両親の深夜の作戦会議では、以下のことが話し合われるでしょう。
- 果たしていくら学費がかかるのか?
- 自分の子はきちんと卒業できるだろうか?
家族でリアルな段取りをしなくてはいけません。薬学部は国公立と私立で大きく学費が異なります。下記にキクオが調べた費用の目安を示します。
<国公立薬学部の場合>
- 入学金30万円
- 年間の学費は約60万円
- 薬剤師になるためには最低でも6年間通う必要があるので、60万円×6年の360万円は子どもが薬学生になるまでには貯金をしておく必要がある
<私立大学薬学部の場合>
- 入学金40万円
- 年間の学費は約200万円
- 6年間の学費でおよそ1,200万円必要になる大学が多い
- 奨学金を借りて進学する学生も一定数いる
私立大学の薬学部に入学、一人暮らしをした場合
私、キクオの経験をもとに薬学部入学から卒業にかかる費用をシュミレーションしてみました。当時、キクオは地元の大学を受験したのですが惜しくもすべて不合格。そこで、親元を離れて、地方の私立大学薬学部へ入学しました。
「入学時にかかる費用」
- 入学金40万円
- 初年度の学費200万円
- 教科書代20万円
- 初年度の生活費(家賃含む)180万円
oh!
1年間で約440万円かかる計算です(汗)。大学生の教科書代ですが1冊5,000円以上する専門の教科書もあります。ページ数だけでなく、お値段もボリューミーですよね。懐かしい。
そして、仮に1人暮らしの家賃を5万円に設定をしても、年間で60万円の出費です。これに仕送りも加わるのでけっこうな金額になります。
年間平均400万円の支出とすると6年間で2,400万円です…!!
はい、もし子どもが薬剤師になりたいといっても、キクオだけでは決められません。そこで、家族会議を開き、妻の意見を聞いてみました。
実際にキクオ家で「子どもを薬剤師にさせたいか」会議を開いてみた!
キクオ家には2歳になる息子が1人いるので、将来について妻と話し合ってみましたよ!
結果、子どものことを考えると「安定をした職業」を目指してほしいとの結論になりました。ただ、薬剤師が将来的に「安定している」のかは誰にもわかりません。
何を持って安定といえるのかという問題もあります。仕事がなくならないことが安定か、自分にしかできない仕事が安定なのかは本人(息子)が考えることです。
個人的には薬剤師になってほしい、つまりキクオはオヤジの背中を追ってほしいと感じるわけですが、学費のことを考えると妻のチェックが念入りになりましたね(笑)。
選択肢を狭めないためにも、貯金をしていこうと財布の紐が閉まる結果に…。タジタジ(貯金、頑張ろう)。
職場や知人に「子どもを薬剤師にさせたいか」聞いてみた!
キクオが働く職場の薬剤師と医療事務さん、そして知人の薬剤師にずばり質問してみました!
「親として、子どもに薬剤師になってほしいと思う?」
まずは現役の薬剤師の回答。5名に話を聞き、3名は「う~ん」と唸ってから「本人の自由だから強要はしないねぇ」と、ややネガティブともとれる返答。残りの2名は「まぁ、なれるだけの貯金があればね!」と費用をシビアに考えていましたね!
続いて医療事務さん。
こちらも5名に話を聞いたのですが「薬剤師になれるなら、なってほしいなぁ~」と前向きな回答が多かったです。「なってほしくない」とキッパリ言わないのは、薬剤師キクオに気を遣ってかもしれません(笑)。
また、医療事務さんから話を聞くと、薬剤師に対してある種の憧れはあるものの、学費より「勉強量」が気になる様子もありましたね。
私大の高額な学費に対する3つの打開策!
個人的に、息子には、国立の薬学部に入ってもらいたいものです。しかしながら、仮に国立は不合格、私立に合格した場合、学費が工面できないと学び続けることができません。
そのためには、大学で高成績を収めて学費免除を狙ったり、奨学金を有効に活用したり、親の働き方を見直したり、と学費工面の工夫が大切だと思います。
具体的な手法例を記載しておきます。
- 「大学名 薬学部 学費免除」と検索して希望する大学の学費免除の条件を確認する
- 奨学金を支援してくれる企業・就職先を探す(原則、卒後の就職が前提となる点を考慮する)
- 親である薬剤師が、高年収の仕事を探す、ダブルワークを検討する
個人的には、ぜひ実家から通える大学に入ってほしいですね!
- 自身の子どもに薬剤師になってほしいと思っている薬剤師は意外と少ない
- 薬学部入学から卒業までに国立では約390万円、私立では約1260万円の学費がかかる(キクオ調べ)
- 奨学金制度や学費免除の情報を探してみよう
- 1人暮らしか実家暮らしかも考慮するべし
個人的にキクオは全国に薬剤師の仲間がもっと増えれば良いなと思っています!
薬学部が4年制から6年制になったことも、学費面では、かなり厳しいと感じます。それでも、子どもが「薬剤師になりたい」といったら夢を応援したいです。
この記事を読んで、将来子どもが「薬剤師になりたい」って言ったらどうしようと思っている薬剤師の参考になればうれしいです。
それでは、また!