ガイドラインから学ぶ急性膵炎の治療方法や食事と飲酒での注意点は?
膵臓の自己消化によって急激な腹痛や吐き気などが起こる急性膵炎。患者数は年々増えていると言われています。治療や予防についてまとめました。
膵臓のはたらき
膵臓には大きく2つの役割があります。1つ目は外分泌です。食べ物を消化するために、アミラーゼやリパーゼといった消化酵素を含む膵液を十二指腸へ分泌しています。そして2つめが内分泌です。血糖をコントロールするために、血糖を下げるインスリンや上げるグルカゴン、それらを抑制するソマトスタチンを血中へ分泌しています。
急性膵炎の概要と原因
通常、膵液は十二指腸に分泌され活性化されます。これが様々な要因によって膵臓内で過剰に分泌・活性化されて自己消化してしまうものが急性膵炎です。その様々な要因の中でも多いものがアルコールと胆石です。ここには性差が見られ、男性ではアルコール>胆石>特発性、女性では胆石>特発性>アルコールの順です。
アルコールによる発症の機序としては、膵液の過剰分泌を引き起こすことや長期摂取による膵液の性状変化、膵臓への直接的な刺激などがあります。一方、胆石による発症の機序は、胆嚢から流れてきた胆石が十二指腸へと繋がる出口で詰まり、膵液の流れを悪くしてしまうことです。